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運営スタッフ さん(菜園アドバイザー)

人参の栽培・育て方を徹底解説!連作障害や発芽・害虫・病気対策など失敗しない人参の栽培方法ついて詳しく説明

人参の栽培・育て方を徹底解説!連作障害や発芽・害虫・病気対策など失敗しない人参の栽培方法ついて詳しく説明

人参を上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説





人参は発芽や間引きのポイントを抑えてしまえば、初心者でも栽培しやすい家庭菜園におすすめの野菜です。
春まきか夏まきかや地域によって変わってきますが、お住まいの地域で適期に種をまくと、3〜4か月後にはおいしい人参が収穫できます。
また、人参は畑で育てるイメージが多いかもしれませんが、実は家庭菜園でプランターでも育てることができます。
この記事では、初心者でもできるプランターでの人参の栽培について詳しく解説していきます。

人参はどんな野菜?


人参はセリ科ニンジン属の根菜類で、一般的には根のほうを人参といいます。中央アジアが原産と言われています。β-カロテンやカリウムという栄養素が多く含まれており、β-カロテンは体内に入るとビタミンAに変化して強い抗酸化作用があります。細胞の老化予防や免疫力アップ効果が期待される健康に良い野菜です。

人参の種類


人参は大きく分けると、細長い東洋系品種と、太くて短い西洋種があります。
家庭菜園で栽培されるのは西洋人参が多いです。
また、最近では甘い人参やカラフルな人参など、見た目も味も楽しめる種類が出てきています。

・主な種類
五寸人参
一般的によく売られている長さと太さのある人参です。
オレンジ色の見た目と五寸(約15cm)という大きさが特徴です。

ミニキャロット
10cmもない小さくてかわいらしい人参です。小さくて食べやすいのでそのまま食べたり、まるごとグラッセにしても楽しめます。

金時ニンジン(京人参)
京人参とも呼ばれ、五寸人参よりも赤みが強い人参です。
細長い形状も特徴で、甘みや香りが強いです。

紫人参
紫色の人参の総称です。
人参の中まで紫色の品種もあれば、中は黄色いパープルスティックと呼ばれる品種などさまざまなタイプがあります。
他にも、外皮が紫色で中身はオレンジ色をしたコズミックパープルという珍しい品種もあります。

黄人参
黄色い人参の総称です。
皮も中身も黄色い品種がほとんどですが、見ためが鮮やかなので飾りなどとして使われることも多いです。
金美(きんび)と呼ばれる品種は、皮も身も黄色く鮮やかな色で、生でも美味しく食べられます。

・甘い人参の品種
スウィートキャロットリリィ
人参の中でもとくに甘みが強く、そのままジュースにしても美味しく飲めます。
独特なクセや臭みも少なく、人参が苦手な人にもおすすめです。

甘美人
五寸人参の一種で、人参特有の臭みが少ないのが特徴です。
臭みもなく、甘みと香りが強いので生で食べても美味しいです。
また、フルーツのような甘みがあるので、野菜スティックのように生で食べたりジュースとして飲むのがおすすめです。

富良野産にんじん
北海道の厳しい寒さの中で育つ富良野にんじんは、甘味が強く、人参特有の苦み・エグ味が少ない人参です。加熱するとより甘みを感じられます。

また、プランターで育てる場合は、小ぶりのサイズで育つ品種の「ピッコロ」「ベビーキャロット」「黒田五寸人参」等がおすすめです。

ベビーキャロット

下記は畑の栽培になりますが、人参の品種について参考になります。




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人参の生育条件


人参栽培では発芽が一番難しい作業で、まずは発芽させることが重要です。
種まきから5〜10日で発芽しますが、気温や湿度に影響を受けます。
発芽させるには温度を15°C〜25℃で乾燥を避け、常に土に水分が含まれている状態を保ちましょう。

人参の旬の時期


一年を通して手に入り、価格も比較的安定していますが、スーパーの野菜売り場でよく見かける五寸人参は一般的に秋から冬ぐらいがおいしい時期で旬と言われています。
産地を変えながら出荷されていますが、五寸人参は10〜12月頃が甘みが強くなり美味しく食べられる時期です。

人参の栽培の手順


人参は日当たりと風通しの良いところで育てましょう。畑やプランター、どちらでも育てられますが、ここでは、家庭菜園で始めやすいプランターでの栽培方法について解説します。

プランターでの人参の栽培に必要なもの


家庭菜園でプランターで人参を育てる場合、下記の準備が必要です。

・人参の種
・有機野菜培養土
・プランター(深さ20cm~30cm以上)
・鉢底石
・肥料

プランター

土作り


人参は移植を好まないため、直接種まきをして発芽させます。
日当たりと風通しの良い場所を選んでプランターを置きましょう。
人参のプランター栽培において、最も手軽なのは市販の有機野菜培養土を使うことです。
有機野菜培養土は、化学肥料を使用せず土と有機肥料が適切に配合されていてプランター栽培に適しています。

大根のように又割れすることがありますので土の中に固いものがないか等確認しておきましょう。
土の水はけをよくするために鉢底石という軽石を土の下に敷き詰めておきます。
有機野菜培養土をプランターの深さの8分目まで入れて平らにならし、割りばしなどを使って横に深さを均一にまっすぐ浅い溝を作ります。
乾燥に弱いので土は乾燥させないことが大切です。
人参の種をまく前に水やりをして土を湿らせておきましょう。

種まき


人参はプランターに直接、種まきをしてスタートさせます。土づくりで作った浅い溝の中に種をまき、よく日光に当たるように土を薄く被せたあと
手で押して土と種を密着させます。
株間は1〜2cm間隔で1〜2粒ずつ種をまいていきましょう。
人参は光がないと発芽しにくい好光性種子なので、日当たりが大変重要です。
発芽するまでは種が乾燥しないよう、注意しながらこまめに水やりを行いましょう。
人参は発芽させるのが難しい野菜だといわれていて、発芽してしまえば成功率が格段に上がります。
水やりが終わったら、ホームセンター等で売っている不織布をかぶせておくとよいです。
土の乾燥の防止にもなり、防虫ネットの代わりにもなるためおすすめです。

人参の発芽

人参の種まきの時期は?


人参の種まきの時期は、年に2回あります。
1回目は、春まきの3月下旬〜5月上旬で、2回目は夏まきの6月下旬〜7月中旬です。
順調に生育すれば春まきは6月下旬〜8月中旬頃に収穫でき、夏まきは9月下旬〜2月頃に収穫できます。

間引き・追肥・土寄せ


種まきをしてから発芽するまでの日数は目安として7日〜10日ぐらいです。もし、10日をすぎても発芽しない場合は、水の量や気温、日当たりを調整しましょう。


間引き
株が成長してくると、最終的には人参それぞれで10cm程度の間隔を取ることが理想です。
1回目の間引きは、本葉が2〜3枚出てきたら、残す苗の根を傷めないように除草もしながら間引きます。その際、苗が3〜4cm間隔を目安に間引きましょう。
2回目の間引きは、本葉が5〜6枚ついた頃に、1回目の間引きと同じように、残す苗の根を傷めないよう、株元を押さえて抜き取りましょう。
また、残した苗には周囲の土を寄せて倒れないようにしておきましょう。
苗は6〜12cm間隔を目安に間引きます。
間引き

下記は畑の栽培になりますが、間引きについて参考になります。


追肥
2回目の間引きの際に、株の周囲に肥料をばらまいて軽く耕します。
株の周囲に均一にばらまいて軽く耕したあとは、土になじませて株に土寄せをします。
追肥は根を太らせるためにも与えます。

土寄せ
間引きや追肥の後には、苗が倒れることを防いだり、間引きによって露出した根を傷める原因にもなるので土寄せをしっかりと行いましょう。
土寄せを行う事で根の緑化を防ぐことができます。

土寄せ

人参が発芽しない理由について


人参は発芽が7割と言われるほど発芽が難しい野菜です。
発芽するまでの日数は約10日ですが、発芽しない原因をいくつか挙げられます。

・発芽と生育に適した温度になっていない
・土壌が極度に乾燥している
・種を深くまき過ぎたり、土を被せすぎている

このようなことが原因で種が発芽しないときの対策として、「温度管理」「土壌の水分量」「日照量の管理」が発芽させるポイントです。

人参の収穫時期と収穫方法は?


人参の収穫時期は、春まきの場合は7月〜8月に収穫、夏まきの場合は12〜2月頃に収穫できます。地上部に出ている根の直径が4〜5cmになったら収穫のサインですが、種まきからだいたい110〜130日が目安です。
地上に出てきた人参の肩の部分の直径が3㎝程になっていたら収穫のサインです。
人参の葉の根元をしっかり持って、スポっと引き抜いて収穫します。
人参は、収穫時期になっても収穫せずに畑に長く置いておける作物ではありますが、収穫するのが遅れると根が割れてしまうので、葉が黄色くならないうちに収穫しましょう。



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人参の栽培で気を付けるべき主な病気について


うどんこ病


葉と葉柄に発生し、白色のかびが現れる病気です。発病すると症状が次第に拡大し、枯れてしまうこともありますが、症状が軽い場合は感染した葉だけをちぎって様子を見ます。カビの胞子による空気感染が原因なので、ちぎった葉は必ず破棄するようにしましょう。

黒葉枯病


葉や葉柄・茎に褐色の小さい斑点が生じる病気です。その後、斑点同士がくっついて大きな病斑を形成し、放置しておくと枯れてしまいます。
夏場に、気温が高くなり降雨と乾燥が交互にやってくる時期に発生しやすくなるため、夏まきは特に気を付ける必要があります。

人参の栽培で重要な害虫対策について


葉や茎などに病気が広がってしまうと、葉を取り除くだけでは完治が難しい場合があります。
風通しの良い場所で育てることも重要ですが、肥料切れすると発病しやすくなる時があります。
追肥を適切に行って予防に努めましょう。

アブラムシ類


1〜4mm程の青い小さな虫で葉や茎に大群で寄生していることがよくあります。アブラムシ自体は小さいですが、群れで植物につくと、汁を吸われて成長が止まり枯れてしまいます。特に新芽の部分や葉の裏についてることが多いので、見つけ次第取り除く必要があります。
防虫ネットをかけることも有効ですが、アブラムシ類はちょっとした隙間をくぐり抜けて入り込むため、葉の裏をチェックしておき、数が少ない時にセロハンテープなどでこまめに取り除く方法がおすすめです。

ネコブセンチュウ


ネコブセンチュは小さな虫で、根に寄生してこぶを作り、野菜の栄養を吸い取ってしまいます。被害を受けている根は土の中に隠れているため直接見ることはできませんが、熱に弱い性質を持っているので、予防としてプランターの土に太陽光をできるだけ当てるようにしましょう。

キアゲハの幼虫


いわゆる芋虫のことで、葉や茎を食べて野菜を弱らせてしまいます。特にキアゲハの幼虫は、成長するに従い食害する量が多くなるので、早めの対策が重要です。
予防として、見つけた場合はつまんで取り除くか、防虫ネットをかけておくと良いでしょう。



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連作障害とコンパニオンプランツについて


人参は同じ場所で育て続けると、連作障害が出てくる場合があります。
連作障害を避けるために、同じ場所での栽培間隔を1〜2年あけるようにしましょう。
プランターであれば、土を変えたり別の植物を植える等の対応をしましょう。

コンパニオンプランツとは、今育てている野菜のそばに一緒に植えることで害虫が寄り付かない等、お互いにとって良い影響をもたらす植物のことをいいます。
人参のコンパニオンプランツとして相性がいいのは、エダマメなどマメ科の野菜のほか、ダイコンやカブ・チンゲンサイなどのアブラナ科の野菜です。
人参とエダマメを側で栽培すると、お互いにかかりやすい病害虫を予防する働きがあります。

人参の栽培は初心者でも可能?


人参の栽培は発芽が7割と言われるほど発芽が難しい野菜ですが、発芽させるための環境作りや間引きのポイントを抑えてしまえば、初心者でも栽培しやすい家庭菜園におすすめの野菜です。
収穫した人参は普段のお料理にも彩りをもたらしてくれますし、栄養素を多く含む緑黄食野菜です。
プランターでは小ぶりのかわいい人参を育てることができますが、たくさん量があって大きな人参を育ててみたい方は、ぜひ畑の栽培にもチャレンジしてみてください。

とは言っても初心者にはなかなか難しい野菜づくり。
初めての野菜づくりには、プロのしっかりアドバイスを聞きながら行うのが最適です。
まずは、アドバイザーがいるレンタル農園で栽培を始めるのもおすすめです。


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