ピーマンを上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説
|目次
■ピーマンはどんな野菜?
・ピーマンの種類
・ピーマンの生育条件
・ピーマンの旬の時期
■ピーマンの栽培の手順
・プランターでのピーマンの栽培に必要なもの
・ピーマンの苗を準備する
・土作り
・ピーマンの植え付けの時期は?
・苗の植え付け
・プランターでの支柱の立て方
・わき芽摘みと摘花について
・追肥
・更新剪定と摘果について
・ピーマンの収穫時期と収穫方法は?
■ピーマンの栽培で気を付けるべき生長不良と主な病気について
・モザイク病
・疫病(えきびょう)
・青枯病(あおがれびょう)
・尻腐れ病(しりくされびょう)
・ピーマンの病気の予防と対策について
■ピーマンの栽培で重要な害虫対策について
・アブラムシ類
・ホオズキカメムシ
・テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウ)
・タバコガ
・対処法
■連作障害とコンパニオンプランツについて
■ピーマンの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
■まとめ
ピーマンはトウガラシ属の緑黄色野菜で病害虫にも比較的強く、生育しやすいことから家庭菜園にぴったりの野菜です。
ピーマンの苗を5月に植えれば、夏から秋にかけて長期間でピーマンを収穫することができます。
また、初心者でも育てやすいことから、庭やベランダで育てる人が増えています。
この記事では、初心者でもできるプランターでのピーマンの栽培について詳しく解説していきます。
ピーマンはどんな野菜?
ピーマンはナス科トウガラシ属の野菜で、原産地は熱帯アメリカと言われています。
赤色のピーマンは緑色より栄養価が高く、ビタミンAとビタミンCが豊富に含まれています。抗酸化作用も期待できる健康に良い野菜です。
・ピーマンの種類
ピーマンは定番の緑色をはじめ、赤や黄色などカラフルな色合いのピーマンもあります。
一般的な緑色のピーマンは、実がまだ熟していない状態であることをご存じですか?
赤ピーマンなどのカラーピーマンは、緑ピーマンが完熟したもので、彩りも鮮やかで甘みもあり、料理にも使いやすく人気があります。
ピーマンの種類
・緑ピーマン
7cm前後の緑色の大きさで、未熟果です。苦味があり、果肉はやや薄めです。
・赤ピーマン(カラーピーマン)
甘みがあり皮が柔らかく熟し、栄養が多く含まれています。
・パプリカ
パプリカの果皮が赤や黄色なのは、未熟果では緑色でも完熟すると品種によって赤やオレンジなどカラフルな色になるためです。
ピーマンよりもサイズが大きく、果肉が厚くて甘みがあるのが特徴で、生でも食べられます。
・フルーツピーマン
ピーマンが持つ苦味が少なく、フルーツのような甘さが特徴です。
色や形が異なるさまざまな種類があります。
・バナナピーマン
淡い黄緑色のピーマンで、苦味が少ないのが特徴です。
熟していくことで甘味が増していき、色もオレンジから赤色へと変化します。
・ピーマンの生育条件
ピーマンは高温性で、日当たりが強い環境を好んで生長します。
生育適温は25〜30℃です。
・ピーマンの旬の時期
お住まいの地域によって差異はありますが、6月〜9月頃が最も美味しい旬の時期となり、その頃に採れたピーマンは栄養価も高くなります。
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ピーマンの栽培の手順
ピーマンは、高温で乾燥した場所を好みます。
日当たりと風通しの良いところで育てましょう。
ピーマンは畑やプランター、どちらでも育てられます。
ここでは、家庭菜園で始めやすいプランターでの栽培方法について解説します。
・プランターでのピーマンの栽培に必要なもの
家庭菜園のプランターでピーマンを育てる場合、下記の準備が必要です。
・ピーマンの苗(種苗店やホームセンターで購入可能)
・有機野菜培養土
・プランター(深さ30cm以上)
・鉢底石
・肥料
・支柱(長さ150cmほど)
・麻ひも
・ピーマンの苗を準備する
ピーマンのプランター栽培は、最初から苗を購入して栽培するほうが成功しやすいです。
ピーマンの苗は、植え付け時期のひと月前ぐらい(4月頃)から園芸店やホームセンター等で販売が開始されます。
苗選びはピーマンの出来に影響するため、良い苗を見分けて選ぶことがポイントです。
まず、育てたい品種を決めて、以下の点を押さえた苗選びをしましょう。
苗選びのポイント
・1番花のつぼみが大きく開花しているか、開花直前のものを選ぶ
・茎がしっかりしていて、濃い緑色の葉であるか確認する
・葉の裏に病害虫などの被害を受けていないか確認する
・本葉が10枚程度で、子葉が残っている状態がベスト
・高さの目安は15〜20cmほど
・土作り
ピーマンは根を深く伸ばして生長するので、深さのあるプランターが必要です。
日当たりと風通しの良い場所を選んで、プランターを置きましょう。
ピーマンのプランター栽培において、最も手軽なのは市販の有機野菜培養土を使うことです。
有機野菜培養土は、化学肥料を使用せず、土と有機肥料が適切に配合されているため、プランター栽培に適しています。
また、土の水はけをよくするために鉢底石という軽石を土の下に敷き詰めておきます。
・ピーマンの植え付けの時期は?
お住まいの地域や品種によっても異なりますが、ピーマンは温度が高くないと育たないので、早く植えないように気をつけましょう。
ゴールデンウィーク中や5月中旬頃が植え付け時期の目安です。
6月下旬から10月初旬頃に収穫時期を迎え、比較的長く収穫を楽しめます。
・苗の植え付け
苗の植え付け方のステップを解説します。
1 鉢底石をプランターの底が見えなくなるまで敷いて、培養土は半分くらいまで入れましょう。
2 土にたっぷりの水をやります。残りの培養土をプランターの上から5cmぐらいまで入れて、再度苗に水を与えてください。
3 植え穴を掘り、ポットから取り出した苗を浅めに植え込みます。植え込む時には苗を軽く手で押さえ、根鉢を崩さないよう、優しく植え付けましょう。
4 苗に水を浸透させるために、苗の周りを少し凹ませます。
5 箸などの小さめの支柱を立てて、麻ひもで誘引します。この作業により、 強風で茎が折れたり倒れたりすることを防ぎます。
支柱のところで八の字にして、緩めに括り付けましょう。苗を痛めないために、あまりきつく縛らないように注意してください。
6 土の表面を軽く押さえ、落ち着かせます。最後は水をしっかりやります。
植えたばかりの苗が根付くまでには時間がかかります。
土が乾燥するとうまく根づかなくなるので、植え付けから1週間程度の間は土が乾燥しないように注意します。
(水をあげる際は、プランターの底穴から水が滴る程度に、たっぷりと与えてください。)
・プランターでの支柱の立て方
植え付けと同時に支柱を使うことで、上に生長していくピーマンを誘引することができます。
目安として、長さ150cm、太さ2cmの支柱(1本)に、麻紐またはビニール紐を使い、1本仕立ての支柱を立てます。
1 ピーマンの枝分かれがいくつかある中から、大きい枝を選んで紐で誘引しましょう。
2 支柱を中央付近に立てます。枝分かれしている付近の茎を紐を使って、支柱に結びつけます。
3 支柱の頂点に5本の紐を結びつけましょう。頂点に結んだ紐から大きな茎を選んで結びつけます。
4 生長する過程でわき芽にも実がつくので、実が大きくなっても支えられるように、紐を追加して結ぶのも良いでしょう。
下記の動画は畑の栽培になりますが、支柱の立て方の参考になります。
夏野菜の大定番ピーマン育て方の重要ポイント!支柱の使い方のコツを徹底解説!【家庭菜園】【誘引】
・わき芽摘みと摘花について
「わき芽摘み」とは間引きのようなものです。苗が生長して複数の芽が出てきた時に、優良なものを選抜して、残りの芽を抜き取る作業のことです。
真上に伸びる主枝と横の枝の間に生えてくる芽のことを「わき芽」といいます。
ピーマンの一番最初に咲いた花を「一番花」といいますが、一番花と、一番花より下部に生えてきたわき芽は摘み取っておきましょう。
まだ小さいうちは手でそっと摘み取ることができます。
わき芽を放置しておくとそのまま生長して伸びていき、養分も分散されてしまいます。
わき芽摘みや摘花をすることで、ピーマンの栄養が分散されずに収穫量が上がります。
下記の動画も参考になります。
家庭菜園や農園で夏野菜定番ピーマンの育て方の重要ポイント!一番花はすぐ摘めば収穫量UP!?わき芽・苗の植え方・行灯仕立てなど徹底解説!/ How to grow bell peppers
・追肥
栄養がたっぷりのピーマンを育てるには、追肥は必須です。
適切な量を適切なタイミングで与えるのがポイントです。
1回目のピーマンの追肥は、苗を植え付けてから2週間後に施してください。
2回目からは2週間ごとに、苗の状態を確認しながら追肥をしてください。
苗からできるだけ遠い場所、プランターの外側に追肥をしましょう。
・更新剪定と摘果について
・更新剪定(切り戻し)
「更新剪定」とは、主枝を切って大きな実を採るための作業です。
主枝の切り戻しの目的は、長く収穫する為と収穫量の増加です。
枝がYの字にわかれて、Yの字の中心に花が咲いて実がなります。その時に内側に向いた枝を剪定します。
枝がはっきりした状態で選定するのがポイントです。
・摘果
「摘果」とは、まだ小さいうちに実を採る作業です。
小さい苗の状態でピーマンの実を大きく育ててしまうと、苗が体力を消費してしまい、株全体の生長が遅くなります。
下記は畑の栽培になりますが、ナスとピーマンの更新剪定について大変わかりやすく紹介されています。ぜひご覧ください。
家庭菜園や農園のピーマン栽培やナス栽培で知らないと収穫激減!?実を増やす剪定タイミングの見極めと対策を徹底解説!/ Pruning work of peppers and eggplants.
・ピーマンの収穫時期と収穫方法は?
ピーマンは品種によって収穫の適期は異なります。
目安として、緑のピーマンは開花から15〜20日後が収穫適期です。
パブリカやカラーピーマンは未熟果ではなく、日を置いて完熟させてから収穫しましょう。
完熟するのは開花してから40日〜60日ぐらいです。
枝ではなく、ヘタのすぐ上の茎をはさみで切りましょう。
収穫時、枝が折れることがありますので、なるべくハサミを使って収穫してください。
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ピーマンの栽培で気を付けるべき生長不良と主な病気について
ピーマンを栽培する上で注意すべき生長不良と主な病気について紹介します。
・モザイク病
葉にモザイク模様や黒い斑点が現れて、葉が縮れて奇形してしまう現象です。
アブラムシによる媒介が原因なので、防虫ネットなどでアブラムシ防除の予防対策をしましょう。
発病株を見つけたら直ちに処分してください。
・疫病(えきびょう)
水が染みたような暗褐色の病斑が発生する病気です。やがて茎や果実に伝染して腐敗します。雨や梅雨の時期などの土壌の水分過多が原因で発生します。
被害を受けた葉や果実を処分してください。ポリフィルムで地面を覆うなどの雨よけで予防対策ができます。
・青枯病(あおがれびょう)
株が緑色のまま急に萎れてしまい、数日のうちに青みを残したまま枯れていくことです。細菌が水を媒介して、根の傷から侵入します。発病株ごと抜き取って処分しましょう。菌が蔓延しないように、使用道具も消毒するのも忘れないようにしてください。
・尻腐れ病(しりくされびょう)
ピーマンの尻部分が黒くなって腐る現象です。雨が多いと土はカルシウム不足になる傾向があります。カルシウム不足を防ぐためにも、土づくりの段階で水はけの良い土壌改良をするなどの対策が効果的です。
・ピーマンの病気の予防と対策について
ピーマンの病気を見つけたら、早めの段階で処分することで蔓延が防げます。原因となるウイルスが発生しないように、水はけの良い土で育てましょう。
ピーマンの栽培で重要な害虫対策について
ピーマンを栽培する上で発生しやすい害虫の予防・対策を紹介します。
・アブラムシ類
アブラムシ類は集団になって生長を阻害し、モザイク病のウイルスを媒介します。
病斑が出た葉はすぐさま取り除きましょう。繁殖力が強いので、防風壁を設置してウイルスの飛来を防ぎます。
・ホオズキカメムシ
植物の葉や果実を吸汁して、ピーマンの生長を止めます。
掴むと悪臭を放つので、駆除の際は粘着テープなどを利用するのがオススメです。
・テントウムシダマシ(オオニジュウヤホシテントウ)
テントウムシにそっくりな見た目の虫が葉を食害します。見つけ次第手で捕まえて駆除しましょう。雑草や落ち葉があれば取り除いて虫の住処を作らないようにして予防します。
・タバコガ
茎や果実に穴を開けて入り込んで食害します。発病した果実は切り取って、中にいる幼虫を退治しましょう。
周りの果実にも幼虫が潜んでいないか、念の為チェックしてください。産卵を防ぐために防虫ネットを活用したり、卵を見つけたら葉ごと処理しましょう。
・対処法
害虫が原因で病気が発生します。一番の予防法は防虫ネットを使用することです。
また、こまめに葉の様子を確認し、早期発見を心がけ、虫を見つけた際はすぐに駆除するのがベストです。
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連作障害とコンパニオンプランツについて
同じ科の野菜を毎年、同じ場所で栽培し続けることで、生育不良や病気が発生してしまう現象を連作障害といいます。
ピーマンはナス科の野菜なので、同じナス科野菜(ジャガイモやナス、トマト等)を栽培した場所では続けて栽培しない方が良いです。
プランターであれば、土を変えたり相性の良いコンパニオンプランツと一緒に植えるのがおすすめです。
コンパニオンプランツとは、一緒に植えることで害虫が寄り付かない等、お互いにとって良い影響をもたらす植物のことをいいます。
ピーマンのコンパニオンプランツと相性がいいのはニラです。
ピーマンとニラを同じ植穴で栽培すると、土壌病害を予防する効果が期待できます。
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まとめ
本記事では、ピーマンを家庭菜園するにあたって、必要な基礎知識を紹介しました。
栽培期間、害虫対策、病気の対処方法等、実際に栽培するにあたって押さえるべきコツを知れば、初心者でも簡単に育てることが可能です。
アドバイスが欲しい方は、シェア畑を利用してみるのもおすすめです。
道具を揃える必要もなく、手軽に参加できるのがメリットです。
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