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【シェア畑栽培研究室の研究ノート】ますます重要になる野菜の高温対策 | 何色のマルチが適している!?シェア畑栽培研究室の実験記録大公開

【シェア畑栽培研究室の研究ノート】ますます重要になる野菜の高温対策 | 何色のマルチが適している!?シェア畑栽培研究室の実験記録大公開
2023年7月、世界の平均気温が観測史上最高を記録して、地球は温暖化を通り越して沸騰化しているとまで言われました。※1)日本中でも猛暑による様々な災害が発生し、シェア畑でも、葉物野菜がしおれたり、トマトの着色不良等の生育不良(高温障害)が多発して、何か良い対策はないのか?どうにかならないか?というお声をたくさんいただきました。
そこで今回は、シェア畑栽培研究室が行った高温乾燥に関する試験結果をご紹介します。
※1)“地球沸騰化とは?その意味と企業が取り組むべき課題を解説”.ASUENEMEDIA.2023-12-05. https://earthene.com/media/1422,(参照2024‐6‐24)

◆マルチの種類による野菜の生育について
ここ最近は、春でも初夏のような陽気であるため、野菜の植え付け時期や栽培スケジュールを管理するのが難しくなっています。巷では、マルチの色を変更することで地温を下げて野菜を栽培している例があります。では、マルチを変更することでどれだけ地温を下げることができ、野菜の生育にも影響があるのでしょうか?今回はその違いを検証してみました。

<試験区の概要>
東京都西東京市の実験圃場
1.マルチなし
2.黒マルチ(シェア畑で普段使用しているマルチ)
3.白マルチ(温度上昇の抑制効果があるとされる)
4.銀マルチ(温度上昇の抑制効果と光を反射することで害虫を忌避する効果があるとされる)

<試験に使用した野菜:リーフレタス>
リーフレタスは暑さに弱い野菜とされ、ある程度の大きさに生長してから20℃以上の高温(気温)に遭遇すると、花が咲きやすくなると言われています(※花が咲いてしまうと収穫が終わってしまう)。
そこで今回はそれぞれのウネに温度計(おんどとりTR-71A)を10cmの深さに挿してマルチの中の地温も測定しました。
(気温と地温では全くの別ものですが、地温が変化することでレタスの花が咲くのを抑制し、長く栽培をすることできないかという考えです。)

▲試験区の様子
 
▲地温の測定(10cmの深さ)

<結果>4月5日~5月6日まで栽培しました。
種まきから約1ヶ月後、葉の長さが15㎝以上に生育したため収穫調査を行いました。(シェア畑の収穫目安サイズになったので収穫)

▲①マルチなし
 
▲②黒マルチ


▲③白マルチ
 
▲④銀マルチ


▲左から、マルチなし、黒マルチ、白マルチ、銀マルチ (各試験区、生育の良い1株を選んで調査)


▲収穫調査
※最大葉長(葉の生え際から一番長いところまでの長さ)
※最大根長(株際から根の一番長いところまでの長さ)
※地上部新鮮重(根を切った、葉の部分の重さ)
※地下部新鮮重(根の重さ)
※根は完全に取り切れていないのであくまで参考値
※地下部新鮮重も根に土がからんでとれないため、土の分も多含む。あくまで参考値


▲マルチの種類別の地温の変化の推移
4月6日~5月6日まで、1時間おきに地温を測定(地温は現地で実測)
黒い折れ線は、気温を示している。(気温は気象庁のデータより参照)

①マルチなし
葉の長さは15cmに達しているが、葉数は他の試験区に比べて若干少ない。新鮮重も他の試験区に比べると小さい。
特に根は細根が少ないのがわかる。(灌水は天水まかせだっため、土が乾くこともあった。水分を求めて地下に伸びる方を優先したかと考える?)

②黒マルチ、③白マルチ、④銀マルチ
葉数、葉長、根長、細根、地上部の新鮮重はいずれも似たような傾向。
地下部の新鮮重だけ銀マルチで高い傾向にあるが、根は収穫時に全て取り切れるわけでないのと根に土がからんで、とれないことがあるのであくまで参考値。

◆マルチの有無で生育に差がつくことが確認できた。
ただしマルチの種類で生育に大きな差
4月5日~5月6日までの1ヶ月の平均地温と気象庁の平均気温を比較すると
なし(1.42℃)、黒(3.85℃)、白(1.04℃)、銀(2.67℃)の差がありました。
温度順で低い方から、白 < なし < 銀 < 黒 になりました。

1日の変化でみると日中、気温があがる時間帯は銀マルチ、黒マルチで地温の上昇が大きくなることがわかりました。特に黒マルチは気温と比較しても5℃以上の差がついていることがわかります。意外にも銀マルチは、地温抑制効果があるといわれるわりには、日中の地温上昇効果は黒マルチの次に高いことがわかりました。地温抑制を目的にする場合は、銀マルチよりも白マルチの方が良いかと思われます。
(※別の時期や作物であれば、違った結果が出るかもしれません。また、夏はもっと差がでるかもしれません。)

◆花が咲くまで様子みてみる
リーフレタスは、ある程度の大きさに生長してから20℃以上の高温(気温)に遭遇すると、花が咲きやすくなると言われています。せっかくレタスを栽培したので、花が咲くまで様子を見ることにしました。(収穫していない残りのレタスのその後の生育の経過を観察しました。)

<結果>5月6日~6月8日まで観察しました。

▲①マルチなし
 
▲②黒マルチ


▲③白マルチ
 
▲④銀マルチ


▲横からみた写真
 
 
▲トウダチの様子
(花が咲く直前)


▲マルチの種類別の地温の変化の推移(4月6日~6月8日まで)

今回は最初の結果から引き続き5月6日~6月8日まで生育の様子を観察しました。
その結果、どの試験区も葉が大きくしげりマルチを覆うほどに生長しました。

その影響からか、5月20日頃を境に地温の変化はどの試験区でもそこまで変化しなくなることが確認できました。
これらのことから、地温は外気温より直射日光による影響が強いことが考えられました。(葉がマルチにあたる直射日光を遮るので温度変化が小さくなる)

トウダチ(花が咲く)については、どの試験区も、ほぼ同じタイミングで始まったので、従来言われているように気温に影響があることも観察できました。(マルチによる差は少ない?)
今回の試験ではマルチの種類による生育差(地温)は確認できませんでした。
ただし、気温が高い時期(7~8月等)に播種するような野菜では発芽~初期成育に白マルチのような地温を抑制する資材を使うことは有効かと思います。(発芽には地温の影響を受けるため)
または、マルチを完全に覆ってしまわないような野菜なら生育の中~後期もマルチの種類による影響はあるのかもしれません。

◆最後に
今回は、マルチの種類を変えることで春まきのレタスの生育(またはトウダチ)への影響はわかりませんでしたが、白マルチを使うことで地温上昇を抑制することがわかったので、夏まきの葉物栽培等では地温を抑制して発芽不良を抑制する効果が期待できるかもしれません。
また、発芽については地温の影響を受けるため、白マルチ等で対応が可能ですが、発芽後の野菜の生育は、気温の方がより影響する(直射日光に当たることで葉の温度が上がってしまう。日光が強すぎる場合は葉が焼けてしまうことがある)とされているので、夏場はマルチだけではなく遮光ネットをする等して葉に直接日光があたらないような対策をする必要があるかもしれません。(こちらについては追加で検証が必要と考えます)
今後は遮光ネットを使用した猛暑の対策についても検討していきたいと思います。

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