オクラを上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説
|目次
■オクラはどんな野菜?
・オクラの種類
・オクラの生育条件
・オクラの旬の時期
■オクラの栽培から収穫までの手順
・プランターでのオクラの栽培に必要なもの
・オクラに適したプランターのサイズ
・土づくり
・オクラの種まきの時期
・オクラの種をまく
・苗から植え付ける
・苗の植え付けポイント
・水やり
・オクラの収穫時期と収穫方法
・倒伏防止
・追肥
・摘葉
■オクラの栽培で気を付けるべき主な病気について
・うどんこ病
・モザイク病
・褐斑病
・葉すす病
・立枯病(たちがれびょう)
・半身萎凋病
・果実黒斑病
■オクラの栽培で重要な害虫対策について
・フタトガリコヤガ
・ヨトウムシ
・アブラムシ
・カメムシ
・ハモグリバエ
・タバコガ
・対処法
■連作障害とコンパニオンプランツについて
■オクラの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
■まとめ
オクラはアフリカ原産で、夏の高温に強いため、家庭菜園での栽培に向いています。初心者にも手軽で、プランターで十分育てられるのが魅力です。オクラはビタミンB1・B2・C、カルシウム、リン、鉄、カリウムなどの豊富な栄養素があり、夏バテ防止にも役立ちます。本記事では、初心者が無理なくオクラを育てられる方法を詳しく解説します。これを参考に、自宅で美味しいオクラを楽しみましょう。
オクラはどんな野菜?
オクラは、アオイ科トロロアオイ属に属する野菜で、東北アフリカが原産地です。紀元前2000年頃の古代エジプト時代から栽培が始まり、長い歴史を持っています。日本へは明治時代にアメリカから伝わりましたが、本格的に食卓に並ぶようになったのは1970年代頃からです。栄養価が高く、ビタミンB1、B2、C、カルシウム、リン、鉄、カリウムなどが豊富に含まれており、夏バテ防止の野菜としても知られています。オクラはその独特の食感と栄養素の豊富さから、さまざまな料理に幅広く活用されています。また、夏の高温に強いため、家庭菜園でも育てやすい野菜のひとつとして親しまれています。これらの特徴から、オクラは日本の食卓を彩る野菜として重要な役割を果たしています。
・オクラの種類
オクラの種類は、断面の形状や色によってさまざまな品種があります。主なものは角オクラ、丸オクラ、赤オクラですが、花を食べる花オクラという品種もあります。
それぞれの代表的な品種として、角オクラには「アーリーファイブ」、「ベターファイブ」、「平城グリーン」、「ダビデの星」があります。
丸オクラには「エメラルド」が、赤オクラには「ベニー」が挙げられます。
これらの品種はそれぞれ特徴が異なり、料理によって選ぶことができます。
・オクラの生育条件
オクラは夏の暑さに強い野菜で、日当たりが良く水はけのよい場所での栽培が適しています。しかし、寒さには弱く、気温が10度を下回ると生育が困難になります。そのため、温暖な気候や季節を選んで栽培することが重要です。
・オクラの旬の時期
オクラはハウス栽培や東南アジアからの輸入により、年間を通して手に入れることが可能です。しかし、日本で露地栽培されたオクラが市場に出回る旬の時期は、6月から8月にかけてです。この期間に収穫されるオクラは、新鮮で美味しく、栄養価も高いため、特におすすめです。
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オクラの栽培から収穫までの手順
オクラは、水はけが良く肥沃な土壌を好んで育ちます。また、高温を好むため、地域によって異なりますが、種から栽培する場合は気温が十分に上がる5月以降に種まきを行うことが望ましいです。
・プランターでのオクラの栽培に必要なもの
家庭菜園でプランターでオクラを育てる場合、下記の準備が必要です。
・オクラの種
・大型のプランター
・野菜用培養土
・鉢底石
・園芸用シャベル
・支柱(太さ16~20mm程度、長さは150cm程度)
・園芸用ハサミ
・オクラに適したプランターのサイズ
オクラ栽培に適したプランターは、標準よりも大きめの深型プランター(幅60cm以上、深さ30cm以上)が望ましいです。オクラの根は深く生長するため、底が浅いプランターでは生長に従い倒れやすくなることがあります。
・土づくり
オクラは湿度に弱いため、水はけの良い土が必要です。野菜用培養土は園芸専門店やホームセンターで手に入り、オクラ栽培におすすめです。オクラが好む土壌は弱酸性から中性で、pH 6.0〜6.5程度が適しています。
・オクラの種まきの時期
オクラの種まき時期は地域によって異なりますが、一般的には4月上旬から7月、苗の植え付けは4月から6月頃が目安とされています。最低地温が15℃以上になったころが適した時期です。種まきから約1ヵ月半後、5月下旬から9月中旬にかけて収穫が可能です。この時期を参考に、オクラ栽培を楽しみましょう。
・オクラの種をまく
オクラの種は硬いため、発芽を促すために一晩水に浸しておきます。種はポリポットにまくことも、直接(じか)まきも可能です。
種をまく手順は以下の通りです。
土に深さ1センチほどのくぼみを作り、3〜5粒ずつ種をまく。複数の種を一つのくぼみにまくことで、発芽時に互いに支え合いやすくなります。
土をかぶせ、軽く手で押さえてたっぷり水をやります。
下記の動画は畑の栽培ですが、オクラの間引きや追肥の参考になります。
家庭菜園や農園でオクラ栽培の基本を徹底解説!土作りからお世話方法まで夏野菜の王道オクラの育て方をご紹介!【農園ライフ】
・苗から植え付ける
オクラの苗の植え付けは、5月中旬から6月下旬までに行います。オクラの苗は、4月下旬ごろから園芸専門店やホームセンターで手に入ります。5月中旬より前に植え付ける場合は、気温が低いため不織布で覆い保温します。これにより、生育に重要な初期に土温を保ち、保水や肥料の流出を防ぐことができます。
良い苗の選び方は以下の通りです。
双葉がしっかり残っており、本葉が3~4枚程度あること。
ポットの底から根が出ていること。
節と節の間が詰まっており、茎が太いこと。
葉の色が濃いこと。
病気や害虫の被害を受けていないこと。
これらのポイントを参考に、健康なオクラの苗を選び、植え付けを行いましょう。
・苗の植え付けポイント
苗の植え付けポイントは以下の通りです。
苗と苗との間に30cm程度の隙間を空けて植え付けます。これにより、十分な栄養と日光を確保し、オクラが生長できるスペースを提供します。
植え付けた後は、たっぷりと水を与えます。これにより、苗が新しい環境に順応しやすくなります。
アフリカ原産のオクラは高温を好むため、気温が十分に上がらないうちに植え付けると生育が悪くなるので注意が必要です。
肥料切れを防ぐため、元肥を土に混ぜてから植え付けます。これにより、植物が必要な栄養素を継続的に摂取できるようになります。
これらのポイントを押さえて、オクラの苗の植え付けを行いましょう。
・水やり
水やりに関しては以下のポイントが重要です。
苗が根付くまでの約1週間は、毎日朝に水やりを行います。その後は、土の表面が乾いたら水やりをします。畑栽培の場合は雨で十分な水分を得られるため、基本的に水やりは不要ですが、プランター栽培では土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えます。
苗の中心から新しい葉がぐんぐん伸びてくるのは、根付いたサインです。これを確認して、水やりの量や頻度を調整しましょう。
株元に静かに水を与えることが重要です。シャワータイプのジョウロがおすすめで、水を優しく与えることができます。
これらのポイントを押さえて、オクラの水やりを適切に行いましょう。
・オクラの収穫時期と収穫方法
オクラの収穫時期と方法について、以下のポイントが重要です。
・収穫時期:
オクラの適切な収穫時期は、花が咲いてから約1週間後で、5~8cmくらいの若いサヤを収穫します。ただし、収穫時期はその年の気候や生育環境、オクラの品種によっても異なります。サヤがまだ柔らかい状態で収穫することがポイントです。タイミングを逃すとすぐに固くなってしまうため、注意が必要です。
・収穫方法:
オクラの収穫方法は、サヤの付け根からハサミで切り取ることです。これにより、綺麗に収穫できますし、植物にもダメージを与えにくくなります。適切な収穫時期と方法を押さえて、美味しいオクラを収穫しましょう。
・倒伏防止
オクラは倒れやすいため、倒伏防止対策が必要です。発芽や植え付けから約1ヵ月経過し、花が咲き始めたら支柱を立てましょう。支柱にはいくつかの方法があります。一つは、株1本に対して1本の支柱を立てる方法です。もう一つは、複数の株を囲むようにして行燈(あんどん)仕立てで支柱を立てる方法です。これらの対策を行うことで、オクラが倒れることを防ぎ、健康な生育を促進できます。
・追肥
花が咲いたら、オクラに追肥を施すことが重要です。追肥は、10日から2週間ごとに定期的に行いましょう。このように追肥を繰り返すことで、オクラの生育を助け、良好な収穫を期待できます。
・摘葉
オクラの摘葉は、風通しを良くするために重要です。葉が密集し始めたら、収穫した節と直下の葉1~2枚を残して下の葉を摘みましょう。摘葉により、栄養が上部の実へ送られます。ただし、以下の状況では摘葉を避けて様子を見ることが望ましいです。
葉が少なく、株全体が空いている
茎が細い
葉の色が薄く、切れ目が深い
これらは生育が弱まっている兆候なので、摘葉せずに様子を見てください。
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オクラの栽培で気を付けるべき主な病気について
・うどんこ病
うどんこ病は、白い粉状のカビが葉や茎に発生し、オクラの生長を阻害する菌類病です。多湿で風通しの悪い環境が発症を促し、対策としては適切な水やりや株間の空間確保が重要です。
・モザイク病
モザイク病は、ウイルス感染によって引き起こされる植物の病気で、葉に黄緑色のまだら模様が現れます。この病気は生長を阻害し、収穫量の低下を招くことがあります。防病対策としては、健康な苗の選択や害虫対策が重要です。
・褐斑病
植物に感染するカビによる病気で、葉に褐色の斑点が現れる特徴があります。重症化すると葉が枯れ、収穫量が減少します。予防策としては、適切な栽培環境や除湿、害虫対策が重要で、病気が発生した場合は、感染部位を除去しましょう。
・葉すす病
葉すす病は、真菌による植物の葉の病気で、葉に黒褐色の斑点が現れ、枯死させます。特に高温多湿の気候下で発生し、農作物の収穫量を減らす要因となります。予防方法としては、適切な間引きや通気を確保することが挙げられます。
・立枯病(たちがれびょう)
立枯病は、細菌によって引き起こされる植物の茎や葉の病気です。特にイネ科の作物に多く、高温多湿な気候が好条件です。感染すると、水分を吸収できずに茎や葉が枯死します。予防方法として、虫害の予防や適切な耕作管理が必要で、耐病性のある品種の選択も有効です。
・半身萎凋病
半身萎凋病は、植物の茎や葉に感染する細菌性の病気で、萎れや褐色の斑点、枯死を引き起こします。予防には、虫害の予防や適切な耕作管理、耐病性のある品種の選択が有効です。
・果実黒斑病
果実黒斑病は、果実に黒い斑点が生じる病気で、外観や味を損ない収穫量を減らします。特に温暖多湿な気候下で野菜や果樹に被害を与えます。予防には、虫害や雑草の予防、適切な栽培管理が必要です。
オクラの栽培で重要な害虫対策について
・フタトガリコヤガ
ガの幼虫で薄い緑色をしています。成長した幼虫は緑色の体に黄色いラインと黒い斑点があります。大きくなると4㎝程度になり、葉を残さず食べてしまうこともあり、新芽や実も食べてしまいます。
大量発生はしにくいものの、1匹あたりの食害量は多いやっかいな害虫です。見つけ次第、捕獲・退治しましょう。
・ヨトウムシ
ヨトウムシは、オクラに限らず家庭菜園で多くの野菜を食害する害虫です。幼虫は葉を食べ、オクラの生育に悪影響を与えます。
・アブラムシ
アブラムシは、植物に寄生する小型の昆虫で、植物汁を吸い取ります。繁殖力が非常に高く、短時間で大量に増え、葉や茎を黄変・変形させ、果実にも影響を与えます
・カメムシ
カメムシは、植物に寄生する昆虫で、口吻で植物汁を吸います。吸汁により植物が病気にかかり、実や種子にも影響を与えます。
・ハモグリバエ
ハモグリバエは、卵を野菜の葉裏に産み、幼虫が孵化すると、根を食害し、野菜の生育に影響を与えます。
・タバコガ
卵から孵化した幼虫が、葉や花を食害し、作物の生育に影響を与えます。
・対処法
害虫の予防・対策としてできることは、良質な種子や苗を使用し、適切な肥料と水やり、雑草除去を行いましょう。
定期的に害虫の被害がないか監視し、早期発見・対策が被害を最小限に抑え、収穫量と品質の確保につながります。
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連作障害とコンパニオンプランツについて
同じ場所に同じ野菜を続けて栽培することで起こるのが連作障害です。連作することで、その野菜を好む病害虫が集まりやすくなります。また、同じ野菜を植えることで、特定の栄養分が不足し、養分のバランスが崩れることが原因で、野菜の生育に悪影響を与えます。このため、各野菜には輪作年限があり、オクラは2〜3年間は同じ場所での栽培を避ける必要があります。
一方、「コンパニオンプランツ」は、一緒に植えることで互いに良い影響を与え合う植物のことです。例えば、オクラのコンパニオンプランツとしては、タマネギ、ソラマメ、シソ、枝豆、落花生、インゲンなどがあります。また、マリーゴールドやパセリなども相性が良いとされています。これらの植物を利用することで、害虫の寄生を防ぎ、野菜の生長を促進することができます。
オクラの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
農作業初心者・未経験者の方で、オクラの自家栽培や無農薬の野菜を育ててみたいけど、どうしたらよいかわからないという方におすすめしたいのが「シェア畑」です。
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まとめ
オクラの栽培について、具体的な手順や注意点を紹介しました。これらのポイントを押さえて、適切な管理を行うことで、美味しいオクラを収穫できます。また、一人で栽培するのが不安な場合は、シェア畑を利用することもおすすめです。美味しいオクラづくりを一緒に楽しみましょう!
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