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ほうれん草を上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説

ほうれん草を上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説


ほうれん草を上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも詳しく解説



|目次

■ほうれん草はどんな野菜?
  ・ほうれん草の種類
  ・ほうれん草の生育条件
  ・ほうれん草の旬の時期
■ほうれん草の栽培の手順
  ・土作り
  ・ほうれん草の種まきの時期は?
  ・種まきをする
  ・間引き・追肥
  ・水やり
  ・ほうれん草の収穫時期と収穫方法は?
■ほうれん草の栽培で気を付けるべき主な病気について
  ・炭疽病(たんそびょう)
  ・べと病
  ・モザイク病
  ・ほうれん草の病気の予防と対策について
■ほうれん草の栽培で重要な害虫対策について
  ・アブラムシ類
  ・ヨトウムシ
  ・ハダニ
  ・対処法
■連作障害とコンパニオンプランツについて
■ほうれん草の栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
■まとめ

ほうれん草

ほうれん草は栽培期間も短めで、病気にもかかりにくいことから家庭菜園にぴったりの野菜です。
日本では主に寒冷地・中間地・温暖地という3つの地域にわけられますが、お住まいの地域で適期に種をまくと、秋まきなら1〜2か月後にはおいしいほうれん草が収穫できます。
この記事では、初心者でも成功するほうれん草の栽培方法やほうれん草栽培で気を付けるポイント等について詳しく解説していきます。

ほうれん草はどんな野菜?


ほうれん草はヒユ科ホウレンソウ属の野菜で、中央アジアが原産と言われています。
ほうれん草は特にビタミンCが豊富で、夏に収穫されるほうれん草より、冬に収穫されるほうれん草のほうが3倍ほどビタミンCが含まれているといわれています。

・ほうれん草の種類


ほうれん草は葉がとがっている「東洋種」と葉が丸い「西洋種」に分かれていますが、日本でよく見かけるのは「東洋種」と「西洋種」の良いところを交配して作られている交雑種になります。

また、主なほうれん草の種類は以下の通りです。

・ちぢみほうれん草
・サラダホウレンソウ
・赤茎ほうれん草

「ちぢみほうれん草」は、冬の時期に露地栽培する方法を指しますが、この栽培によって育ったほうれん草も、ちぢみほうれん草と呼ばれることが多いです。
地面に対して張り付くように葉っぱを広げ、最終的に葉っぱが縮れるように育つのが名前の由来です。
普通のほうれん草と比べて葉が厚く、甘く育ちます。

「サラダホウレンソウ」は、名前の通りサラダに適したほうれん草です。アクが少ないので、茹でずに美味しく食べられます。

「赤茎ほうれん草」は、葉っぱの柄が赤紫色になっているのが特徴です。サラダホウレンソウと同じくアクが少なく、生で食べても美味しいです。

・ほうれん草の生育条件


ほうれん草は、日当たりが良く風通しの良い場所を好んでいます。生育適温は15〜20℃です。
低温に強い植物であり寒い環境にも耐えますが、25℃以上だと育ちにくくなるので気をつけましょう。

・ほうれん草の旬の時期


お住まいの地域や種まきの時期によって差異がありますが、11〜1月の冬が最もおいしい旬の時期になります。
この旬の時期に採れるほうれん草は甘みがあり栄養価も高いです。



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ほうれん草の栽培の手順


ほうれん草は日当たりがよく風通しのよい涼しい場所で育てると成功しやすいです。
種をまく前に土づくりを済ませましょう。
ほうれん草は畑やプランター、どちらでも育てられますが
ここでは、ほうれん草がのびのびと育ちやすい畑で育てる場合についてご説明します。

・土作り


ほうれん草は、元々海外から渡ってきたこともあり、日本の土壌にそれほどなじみ深いわけではないため、少しデリケートな野菜です。
特に酸性土壌に弱いため、中性から弱アルカリ性になるように土作りをすることが重要です。
そのために、pH(酸度)調整を行います。
種まきの2週間前に、苦土石灰を1㎡(平米)当たり150g前後、全面に散布して深く耕してください。そして、牛ふん2リットルと油かす200CCを1㎡(平米)あたりに投入します。
こうすることで、2週間後には土壌の酸度を目安である6.5〜7.0に調節できます。
また、ほうれん草は直根性であり、地上部と比較して根系の広がりが活発です。
この特徴から耕土が深く、有機質に富んだ土壌が適しています。

下記の動画も参考になります。
家庭菜園や農園のホウレンソウ栽培で土作りと初期成育を失敗しないコツ!ほうれん草を成功させる育て方を徹底解説!/Tips for successful spinach cultivation.


・ほうれん草の種まきの時期は?


品種が多いほうれん草の種まきの時期は、選んだ品種やそれぞれの地域によって異なります。

ほうれん草の作型は目安として大きく2つに分けることができます。
3月中旬〜4月中旬の頃にまく春まきと、9月上旬〜10月下旬頃にまく秋まきの2回です。
初心者向けの家庭菜園の場合は、病害虫に強く冷涼な気候で育てやすい時期の秋まきがおすすめです。
季節に合わせた品種を選ぶと上手に育ちやすいです。

・種まきをする


土作りから2週間が経過したら、ほうれん草の種まきをします。ほうれん草は移植を嫌う直根の植物なので、畑に直播きするのが前提です。
また、まく際は条間15cm間隔のマルチを使い、点まきでまいてください。1穴に対して3~5粒が目安です。
種まきが終わったら、まいた種の地面を手のひらで抑えて平らにします。
そして、たっぷりと水をあげてください。
その後、保温と保湿のために不織布を土全体に被せて種まきは完了です。

下記の動画が参考になります。
絶対マスターしたい家庭菜園のホウレンソウの糖度を上げる栽培ポイント!種まき・お世話など10月に栽培するコツを徹底解説!【農園ライフ】


・間引き・追肥


ほうれん草は種をまいてから5〜7日ぐらいで発芽します。

発芽

本葉が1〜2枚になったら、指2本間隔(株間3センチぐらい)になるように1回目の間引きを行ってください。
本葉が3〜4枚になった場合は、指3本間隔(株間6センチぐらい)になるように2回目の間引きを行います。
2回目の間引きの際、条間に追肥を施してください。
間引き後は株が倒れやすい状態になっているので、株元に土寄せしましょう。

・水やり


ほうれん草は乾燥が苦手な植物なので、乾きやすい晴れの日には必ず水をあげてください。しかし、日が暮れる頃に葉が乾いている状態にするのが理想的なので、水やりのしすぎには気を付けてください。
天気が良い午前中に1回だけ水やりするのがおすすめです。
また、多湿環境で病気になるのを防ぐため、梅雨や秋雨の時期は水やりを控えてください。

・ほうれん草の収穫時期と収穫方法は?


ほうれん草の収穫

ほうれん草は生長が早いため、種まきから1ヶ月〜2ヶ月ほどで収穫できます。草丈が25cm〜30cmになったら収穫時期と覚えておきましょう。
冬場は収穫時期から1週間待つと、寒気にあたって甘みが強くなります。
また、ほうれん草は根の張りがしっかりとしているので、はさみで切って収穫します。
ほうれん草の赤い根っこ部分も栄養があって食べられる部分なので、あえて残して切るのもおすすめです。

ほうれん草は植える時期によって収穫時期が変わります。
春まきや秋まきの場合、以下を目安に栽培スケジュールを立てましょう。

・春まき:種まき:4月~5月/収穫:5月~6月
・秋まき:種まき:9月~10月/収穫:10月中旬〜翌年2月頃

11月以降に種まきしても、ビニールトンネルを使えば寒さ対策になり、栽培が可能です。



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ほうれん草の栽培で気を付けるべき主な病気について


ほうれん草は必ずしも健康的に育つとは限りません。
育て方を間違えると、思わぬ病気になる恐れもあります。
ほうれん草の病気を対策するためにも、発生しやすい病気や対策などについて見ていきましょう。

・炭疽病(たんそびょう)


炭疽病(たんそびょう)は、雨や風によってカビがほうれん草に付着することで発生する病気です。
ほうれん草の葉っぱに褐色の病斑が生まれ、付近に小黒点ができるのが特徴です。
最終的には腐敗・葉の破れなどを引き起こし、葉が枯れてしまいます。

・べと病


べと病は、泥はねによって感染するケースが多い病気です。
葉っぱに黄色い斑点ができ、葉の裏にカビが発生します。
露地栽培では特に出やすいので注意が必要です。
また、多湿・肥料切れ・草勢の弱り・密植・窒素過多など、あらゆる原因が発症の元となります。

・モザイク病


モザイク病は、アブラムシの媒介によって発生する病気です。葉が小さくなる・葉脈の形が変形するといった症状が特徴です。

・ほうれん草の病気の予防と対策について


「炭疽病(たんそびょう)」の場合、胞子が飛び散って伝染する恐れがあるので、発病した葉を除去することでほかの葉っぱへの発症を予防します。

「べと病」の場合、一度使用した土での連続栽培や高温多湿を避けることで病気を予防できます。
「モザイク病」に関してはアブラムシが原因になるので、防虫ネットを使用するだけでも大変効果的です。

万が一病気が発症した場合は、発症した部位を除去して経過観察してください。

ほうれん草の栽培で重要な害虫対策について


ほうれん草を育てる上で脅威になるのは、病気だけではありません。害虫も育成を妨害する要素になります。それらの虫について知り、適切に対処できるようにしましょう。

・アブラムシ類


体調4mm以下の小さな虫です。集団でほうれん草の葉に集まり、汁液を吸って成長を妨害します。
モザイク病を媒介する害虫でもあるので注意が必要です。

・ヨトウムシ


芋虫のような虫です。夜になるとほうれん草の葉っぱを食べてしまいます。

・ハダニ


目で確認するのが難しいぐらい小さい虫です。アブラムシ類と同じく、集団でほうれん草の葉に集まって汁液を吸います。
結果的に、葉っぱに白い斑点ができてしまうので注意が必要です。

・対処法


「アブラムシ類」は繁殖能力が高いので、最初の1匹が付着するのを防止することが重要です。
光を嫌う性質を持つため、シルバーマルチを敷いたり銀色の光反射テープを貼ると効果的です。

「ヨトウムシ」は、ほうれん草を植えた直後に防虫ネット・寒冷紗でトンネル掛けをするのがおすすめです。
こうすることで、成虫のヨトウムシの産卵を防げます。
また、成虫は赤いものに寄ってくる特徴があるため、ほうれん草の周りに赤いものを置かない対策も有効です。

「ハダニ」は、非常に小さく風によってほうれん草に付着するため、完全に対策するのは難しいです。
ただ、水に弱い虫なので、雨当たりがいいところでほうれん草を栽培したり、時々葉っぱの裏に水を掛けたりすると数を減らせます。



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連作障害とコンパニオンプランツについて


同じ科の野菜を毎年、同じ場所で栽培し続けることで、生育不良や病気が発生してしまう現象を連作障害といいます。
ほうれん草は栽培期間が短いため、土壌の養分バランスが悪くなり、連作障害が出やすいと言われています。
1〜2年は栽培の間隔をあけることをおすすめします。
コンパニオンプランツとは、今育てている野菜のそばに一緒に植えることで害虫が寄り付かない等、お互いにとって良い影響をもたらす植物のことをいいます。
ほうれん草のコンパニオンプランツと相性がいいのは葉ネギです。
ほうれん草と葉ネギをそばで栽培すると、土壌病害を予防してお互いの生長を高め合う効果が期待できます。

葉ネギ

ほうれん草の栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう


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まとめ


今回は、ほうれん草の栽培について紹介しました。
元々の栄養も豊富ですが、冬に収穫した方が3倍のビタミンCを含んでいて甘みも強くなり美味しいです。
ただし、酸性土壌に弱いため、土作りの時点で酸度調節をするといった工夫が必要になります。
畑や土に直まきすることを意識してください。その後は乾燥しないように水やりを忘れないようにしましょう。
また、ほうれん草を育てる上では、病気や害虫対策も重要です。
多湿を防止する、防虫ネットを掛けるなど、それぞれの病気や虫に合わせた対策を行ってください。
ほうれん草を育てる畑が欲しい方には、シェア畑というサービスを利用してみるのもおすすめです。



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