ブロッコリーを上手に栽培する方法。栽培で起こる疑問トラブルも徹底解説
|目次
■ブロッコリーはどんな野菜?
・ブロッコリーの種類
・ブロッコリーの生育条件
・ブロッコリーの旬の時期
■ブロッコリーの栽培の手順
・土作り
・ブロッコリーの種まきの時期は?
・植え付け
・防虫ネットを掛ける
・追肥・中耕・土寄せ
・花蕾がついてくる
花蕾が大きくならない場合の考えられる原因は?
・ブロッコリーの収穫時期と収穫方法は?
■今話題!茎ブロッコリー(スティックセニョール)について
■ブロッコリーの栽培で気を付けるべき病気について
・軟腐病(なんぷびょう)
・モザイク病
・ピシウム腐敗病
・根こぶ病
・べと病
■ブロッコリーの栽培で重要な害虫対策について
・アオムシ
・コナガ類
・ヨトウムシ類
・アブラムシ類
・対処法
■ブロッコリーのコンパニオンプランツについて
■ブロッコリーの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
■まとめ
ブロッコリーは1年を通していつでも見かけることができる、アブラナ科アブラナ属の緑黄色野菜です。ブロッコリーは涼しい気候を好むため、夏植えの場合は夏から秋にかけて苗を植えれば、秋から冬にかけて美味しいブロッコリーが収穫できます。
「ブロッコリーを育ててみたいけど何をしたらいいのかわからない」、「現在ブロッコリーを育てているけれど害虫対策や結球できない」等、ブロッコリーの栽培について悩んでいませんか?
この記事では、初心者でも成功するブロッコリーの栽培方法や、人気が高い茎ブロッコリーの紹介、ブロッコリー栽培で気を付けるポイント等について詳しく解説していきます。
ブロッコリーはどんな野菜?
ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の、花芽を食用とするケールが祖先の野菜です。
原産地は地中海沿岸で、イタリアから19世紀以降にアメリカへ渡り、そして明治時代にカリフラワーと共に日本へ入ってきました。
カリフラワーの変種でビタミンが豊富な緑黄色野菜です。
・ブロッコリーの種類
ブロッコリーにはさまざまな種類があります。ミニブロッコリーや、高い栄養価を持つブロッコリーのカイワレ、カリフラワー、そして茎の部分が柔らかくて食べやすい、スティックブロッコリーなどが挙げられます。スティックブロッコリーはさらに、アレッタ、スティックセニョール、パープルスプラウティング、スピガリエッロなどがあります。
・ブロッコリーの生育条件
ブロッコリーは涼しい気候を好むので、栽培適温の目安は15℃〜20℃です。
種まきは夏に行い、秋〜冬にかけて収穫するのが適しています。
・ブロッコリーの旬の時期
ブロッコリーの旬は冬です。11月頃から3月頃が美味しい時期です。
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ブロッコリーの栽培の手順
ブロッコリーは日当たりがよく、風通しのよい涼しい場所で育てると成功しやすい野菜です。
種をまく前に土づくりを済ませましょう。
種を育苗ポットにまくか、もしくは畑やプランターに直まきする等の栽培の方法があります。
ブロッコリーは畑やプランター、どちらでも育てられますが、ここではブロッコリーがのびのびと育ちやすい畑で育てる場合について説明します。
・土作り
ブロッコリーを上手に栽培するためには、植え付けの2週間以上前までに、土作りをおこないます。種まきの2週間前に堆肥と元肥を鋤き込んで、深く耕しておきましょう。
有機物が豊富で水はけがよい用土で育てると大きく育ちやすいです。「根こぶ病」を避けるためにも、石灰を入れて酸度を調整したり、黒マルチで病気予防、雑草対策をするのがポイントです。株間は45cm、phは6.0〜6.5が目安です。
下記の動画も参考になります。
家庭菜園や農園のキャベツ栽培やブロッコリー栽培などでアブラナ科野菜の苗選びと正しい植え方のコツを徹底解説!【農家直伝】
・ブロッコリーの種まきの時期は?
種まきの時期は選んだ品種やそれぞれの地域によって異なります。
作型は目安として下記の2つに分けられます。
①夏に種をまき、秋から冬にかけて収穫を行う作型(夏まき栽培)
②冬から春にかけて種をまき、初夏(6月ごろ)に収穫を行う作型(春まき栽培)
種を選ぶ際、初心者は栽培期間が短く済む「早生品種」がおすすめです。
また、季節に合わせた品種を選ぶと上手に育ちやすい傾向があります。
・植え付け
本葉5〜6枚まで苗が育ったら、畑に定植します。
植え付け前に苗に水をたっぷりと与え、植え付け後も乾燥させないように水やりをすることを忘れないでください。
春に種をまく場合は、先に苗づくりをして苗植えから始めるのがおすすめです。
春まきのブロッコリーの植え付けと苗作りについては、こちらの動画をご覧ください。
1月の春ブロッコリー栽培!家庭菜園や農園で春に向けて畑作業や種まきのコツなど茎ブロッコリー栽培成功の秘訣を徹底解説!【農園ライフ】
・防虫ネットを掛ける
定植したら、害虫を防ぐためにトンネルに防虫ネットを張るのがおすすめです。
小さな虫を通さないためにも目の細かいものがおすすめです。通気性が悪くならないよう注意しましょう。
・追肥・中耕・土寄せ
追肥をすることで外葉がしっかり育ち、ブロッコリーの質が向上します。
植え付け2週間後に1回目の追肥をおこない、2〜3週間後、2回目の追肥・中耕・土寄せをし、株を安定させます。
・花蕾がついてくる
主枝の頂部に花蕾がついてきます。
ブロッコリーの収穫は花蕾が開く前に行いましょう。花蕾が開いて花が咲いてしまうと味わいが変わってしまいます。
・花蕾が大きくならない場合の考えられる原因は?
ボトニングという現象が起こっている場合、花蕾が小さくなる原因になります。
春まきや晩秋後の栽培で起こりやすく、株が小さいうちに低温にさらされることで、株が大きく育つ前に花芽をつける現象のことです。
低温や肥料不足により生育不良になると花蕾が育たないため、トンネル掛けなどで保温しながら栽培しましょう。
・ブロッコリーの収穫時期と収穫方法は?
花蕾が目安として12〜15cmぐらいになると収穫時期です。
花が咲くと食味が落ち、収穫遅れです。
花蕾が閉じた状態で、茎の部分をナイフで切り取る方法が収穫しやすくおすすめです。
なお、どの時期に植えたかによって収穫時期は変わります。
頂花蕾を切り取ると、わき芽が伸びて葉のつけ根に次々と側花蕾が出てきます。
3〜5cmの大きさが収穫のタイミングで、早めに切り取ることを心がけてください。
切り口が乾きやすいよう、晴れた日の午前中に包丁やナイフなどで茎を斜めに切り取って、収穫を行いましょう。
栽培時期:春まき・夏まき(苗:春植え・秋植え)の場合、以下のような栽培スケジュールになります。地域ごとに差があるため、大体の目安となります。
春まき→種まき:2~3月、植え付け:3~4月、収穫:4~5月
夏まき→種まき:7~8月、植え付け:8~9月、収穫:10~12月
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今話題!茎ブロッコリー(スティックセニョール)について
スティックセニョールは茎の部分がアスパラのような食感で、茎と蕾の両方を食べられる、調理がしやすい人気のブロッコリーです。
茎ブロッコリーは長期間たくさん収穫できるように改良した新品種です。
大量収穫の裏技について、主に4つのポイントを紹介します。
①最初の収穫
植え付けから50日程度で先端の茎の頂点に蕾が付きます。最初の蕾が500円程度の大きさになったら摘みます。最初の蕾が無くなった事をきっかけに、わき芽が伸び始めます。
②蕾を摘む場所
茎の先の方だけを収穫すると、その下に残した葉の付け根から、また新しい蕾と茎が生えてくるので、たくさんの短い蕾を収穫できます。茎を長くして収穫すると、次の蕾の付く時期が遅くなります。わき芽をどの長さで摘むかが、収穫のテンポのコツになります。
③越冬時
畑の近所に林があったりするとヒヨドリが葉を食べにくるので対策として防虫ネットをかけましょう。樹が成長して収まらなくなった場合は、茎が折れないように支柱を使って防虫ネットを覆えば、下からの鳥からの襲撃を防ぐことができます。
④長期間収穫するコツ
蕾が開き花が咲くと短命に終わります。花が咲いている樹の長さの2/3か半分くらいまで切り戻して、わき芽を3〜4つ残していることで樹が回復し、新たな蕾がつき夏まで収穫が続けられます。
茎ブロッコリー大量収穫の裏技公開!家庭菜園の茎ブロッコリー栽培で長期収穫する栽培管理のコツや収穫方法を徹底解説!【農園ライフ】
ブロッコリーの栽培で気を付けるべき病気について
ブロッコリーの栽培において発生しやすい病気とその対策・予防法について紹介します。
・軟腐病(なんぷびょう)
軟腐病は軟化してドロドロに腐り、悪臭を放つ病気です。土壌中にすむ細菌が植物の傷から侵入し、高温多湿時に多く発生します。
対策としては発生したらすぐに株を抜き取り、素早く処分しましょう。水捌けの悪い畑なら高畝にし、畝にマルチシートを張れば泥はけを防げます。
害虫防除や芽かきなどの作業は乾燥した日におこないましょう。
・モザイク病
葉全体にモザイク状の病班が発生するモザイク病は、雨量が少ない9月〜11月に発生しやすい病気です。ウイルス病は治療方法がないため、他の株への伝染するのを防ぐためにも、発病した株はすぐに抜き取り処分しましょう。ウイルス病の株に触れた道具や手指も消毒します。予防法としては、アブラムシを徹底的に防ぐことが重要です。防虫ネット・シルバーマルチを利用しましょう。
・ピシウム腐敗病
茎の地際が白くなって腐敗し、水浸病の病斑となる病気です。根も腐敗しているため、苗全体が倒れてしまいます。発生した時点で株を抜き取り、水はけを良くすること、害虫予防を日頃から意識しましょう。
・根こぶ病
根部にこぶが多数形成され、生育途中で葉や茎が枯死します。地上部では生育が衰えて葉色が淡くなります。晴天の日に株全体が萎れてしまうと感染の可能性があります。対処法は、「太陽熱消毒」がオススメです。
太陽熱消毒をもっと知りたい方は、こちらの動画をご覧ください。
家庭菜園や農園栽培の土作りで米ぬかを使った太陽熱消毒!微生物の活性化、雑草対策や病気予防など徹底解説!/Tips for solar heat disinfection using rice bran
・べと病
カビによる病気で、葉に黄色の病斑が現れます。20〜24°Cほどの多湿の時、肥料切れや長雨の時に多く発生します。発病した葉は除去しましょう。肥料切れが起こりやすいので注意し、水はけを良くして、風通しが良く、日当たりの良い環境を整えることがポイントです。
ブロッコリーの栽培で重要な害虫対策について
ブロッコリーは虫たちにとってエサになる為、しっかりと害虫対策をする必要があります。
・アオムシ
モンシロチョウの幼虫は放っておくと、葉の大部分を食べます。幼虫は見つけ次第、駆除しましょう。野菜を植え付けた後すぐに防虫ネットや寒冷紗でトンネル掛けしておけば、産卵を防ぐことができます。
・コナガ類
よく発生する淡緑色の害虫です。野菜害虫の中で防除の困難な厄介な害虫とされています。クモなどの天敵が棲みつく畑作りをするのが効果的です。肥料を与えすぎると産卵されやすいので、適切な施肥量を守りましょう。
・ヨトウムシ類
夜行性で、夜の間に葉を食害するので「夜盗虫」と呼ばれます。食欲旺盛なため、一晩で葉を食べつくす可能性があります。群生している段階で防除しましょう。
・アブラムシ類
葉や茎に群集し、植物の汁を吸います。ウイルス病を媒介します。植物の新芽に好んで寄生し、汁液を吸います。葉や枝が真っ黒になったり、葉っぱを縮れさせる傾向があります。
・対処法
ブロッコリーの対処法として、症状が出た部分をまずは取り除きます。できるだけ早いタイミングで病害虫を除去し、症状の広がりを抑えましょう。苗を植えたらすぐに防虫ネットをかけて隙間なく覆い、害虫を遮断するような予防法も効果的です。
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ブロッコリーのコンパニオンプランツについて
コンパニオンプランツとは、今育てている野菜のそばに一緒に植えることで害虫が寄り付かない等、お互いにとって良い影響をもたらす植物のことをいいます。
ブロッコリーのコンパニオンプランツでおすすめなのは、キク科の野菜です。
ブロッコリーをキク科の野菜の近くで栽培すると、アブラナ科とキク科はそれぞれに付く害虫が異なるため、害虫の寄り付きが少なくなります。
また、別種の害虫はお互いを避け合う性質があり、ブロッコリーにもキク科の野菜にも、害虫が寄り付かなくなるというまさに共存共栄できる野菜です。
最もおすすめなのは「赤い葉のサニーレタス」です。
ブロッコリーの葉を食べるアオムシやコナガの幼虫は、レタスの香りを好まないことと「赤い色」を嫌うため害虫を寄せ付けない効果を期待できると言われています。
ブロッコリーの栽培で悩んだら、菜園アドバイザーに相談してみよう
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まとめ
ブロッコリーを上手に育てる栽培知識や気をつけるべきポイントを理解することで、家庭栽培でもブロッコリーを育てることができます。
品種によって種まきの時期・収穫時期も異なるため、ブロッコリーの種類や基本情報などを知っておくことが大切です。
さらに、生育条件、栽培期間、害虫対策、病気の対処方法などの情報も知ることで、美味しいブロッコリーを栽培することができるでしょう。
ブロッコリーの栽培に難しさを感じる方は、アドバイザーがサポートしてくれるシェア畑で野菜を育ててみるのがおすすめです。
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