秋冬野菜は育てるのが難しい?!
秋冬野菜は春夏に比べて、害虫が多くて育てるのが難しいとよく言われます。
その理由としては、ハクサイやダイコン、キャベツ、コマツナなどのようにアブラナ科の野菜ばかりが集まってしまうことにあります。
アブラナ科の野菜は、多くの害虫が特に好んで食べるため、そんな野菜ばかりが集まる秋冬の畑は害虫にとっては、もはや楽園なんです(笑
また、もう一つの理由としては、そういった害虫を食べてくれる天敵が、寒くなると少なくなってしまうことにあります。(例えば、アブラムシの天敵・テントウムシなどです。)
防虫ネットをしているからと安心していると、逆にそれが仇となり、かえって取り返しのつかないことになってしまうことが多々あります。。。
アブラムシなどの小さな害虫は、ネットの目をかいくぐり侵入してきますし、ネットに少しでもすき間があれば蛾や蛾の幼虫などは結構入ってきてしまうのです。
そんな時に活躍するのが自然農薬!
シェア畑では主に、油せっけん水、トウガラシ焼酎液、重曹水などの天然由来の自然農薬を使用しています。
しかしこの自然農薬も、使い方一つで、かえって虫を呼び寄せたり、病気をさらに悪化させてしまうことをご存知でしょうか?
今回はそんな自然農薬の注意点と、ちょっとしたコツで害虫被害を抑える方法をご紹介します!
自然農薬の使い過ぎは野菜を弱らせる
アブラナ科の野菜が大好物なアブラムシ。
このアブラムシを退治するための自然農薬が”油せっけん水”になります。
トウガラシ焼酎は臭いでチョウやガをよせつけないための予防薬、重曹水はうどんこ病などのカビの病気を抑える効果が期待できます。
そんな自然農薬ですが、正しい使い方は、晴れた日に1~2回、シュッとかけてあげる程度にしておくことが重要です。
また、一度使ったら1週間は間を空けるようにします。
ときどき、野菜の葉から滴るほどスプレーされている方を見かけますが、これではかえって野菜を弱らせてしまいます。
多くかけてあげればその分効果が期待できそうですが、そこが病害虫を多くしてしまう落とし穴になります。
植物の葉は人の肌と似ている?
ではなぜ、多く使ってはいけないのかご説明します。
少し大げさに言うと、植物の葉の表面と人の肌にはすごく似ているところがあります。
例えば、皆さんも一度はご経験があるとは思いますが、水仕事をしたり、手を洗ったりした時に、タオルなどで拭かず濡れっぱなしにしていたら、手はどうなってしまうでしょうか?
すぐにはならないと思いますが、何度も繰り返すと、手の油分が失われて乾燥してしまったり、カサカサになって、ひどい時は切れてしまったり、傷口にバイ菌が入り化膿してしまうことがあると思います。
実は植物にも同じことがいえます。
植物も濡れっぱなしや、濡れる回数が多ければ多いほど、葉をコーティングしている油の層(ワックス)がパリパリにはがれてしまい、そこから栄養が漏れ出てしまいます。
すると、その漏れ出た栄養をめがけて害虫や病気が集まってきてしまうのです。
ちなみにこの原理は普段の水やりにもいえることで、葉の上から水やりをすることで植物は弱ってしまいます。
(※例外はあります)
水やりの基本は株元の根っこにあげるようにするのが正しい水やりの仕方です。
(※ハウス栽培などでは例外あり。)
また、よく観察されている方なら気づくと思いますが、雨が続いた翌日に害虫が多くついていたり、病気が発生するのはこのためだとも言われています。
(もちろん、虫や害虫が湿度の多いところを好む習性も相まってのことですが。)
まとめ
これまでのポイントをまとめます。
① 害虫が発生したら、なるべく素手(刷毛などをつかっても可)で害虫を駆除します。
② 手に負えない場合は、晴れた日に自然農薬を1~2回シュッとかけてあげます。
また、2回目以降は1週間以上あけて行うようにします。
(晴れた日にかけるのは、すぐに乾燥させて葉が濡れる時間を少しでも短くするため)
③ 普段の水やりも、なるべく株元にお水をあげるようにします。
(ネットをしている場合でも、めんどうがらず、ネットの裾から口をいれてお水をやる)
以上のようなことを心掛けると、害虫被害をある程度防ぐことが可能です。
いかがでしょうか?
もちろん、肥料のあげかたや土づくりの仕方、タネや苗の良し悪しもありますが、普段の管理に少しの心掛けで、害虫被害を抑えることができます。
少し時期がずれてしまい、害虫が少なくなってくる時期になってきましたが、もちろん来年度も使える知識なので、ぜひ覚えておいて実践されてみてくださいね!
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