突然ですが、読者のみなさんは「農業」と聞いてどんな風景を思い浮かべますか?
目を閉じて想像してみてください。
もちろん、生まれ育った場所や人生経験によってイメージする風景は異なると思います。
ちなみに、筆者の場合、あえて言葉で表現するなら、青空、緑、水といった感じでしょうか。
青い空の下、緑色の葉っぱが風に揺れ、水面に太陽の光が注ぐー。
勝手な決めつけで恐縮ですが、もし読者のみなさんが筆者と似たようなイメージを持ったのなら、「農業」と縁が薄い人かもしれません(苦笑)。34歳の筆者は今でこそこの業界で働いていますが、農村で暮らした経験はなく、都会で生まれ育ちました。何がいいたいかというと、「農業」のイメージと現実には少なからずギャップがあるということです。
次の2枚の写真を見比べてください。
1枚目は秋田県八郎潟町(はちろうがたまち)の上空写真です。ほとんどが農地ですね。土地が広大な東北地方らしい光景です。2枚目は東京都清瀬市(きよせし)です。西武池袋線が走る首都圏のベットタウンです。農地がところどころにありますが、八郎潟町より住宅街が密集している様子がわかります。つぎに地上からみた写真も並べてみます。
八郎潟町の街角の風景。筆者のイメージする「農業」に近い。
清瀬市の街角の風景。住宅街のなかに農地が点在している。
さあ、ここで問題です。この2つの自治体では、どちらの方が「農業」の売上高が多いでしょうか。
正解は清瀬市です。八郎潟町が年8億円なのに対し、清瀬市は年16億円。町の広さでは八郎潟町の6割に満たない清瀬市が、農業の売上高では2倍もあるのです。この結果からは何が読みとれるでしょうか。
のどかな田園風景でなくとも「農業」は成り立つ、といえると思います。清瀬市ではそれほど広くない農地にビニールハウスを建て、トマトなどの野菜を効率よく育てている農家に出会うことができます。都会が近いので売り先に困らないのも清瀬の特徴です。
八郎潟町のような田園風景が、必ずしも「農業」の活性化につながっているわけではない、ともいえます。「農業」をしているように見えて、じつはそれほど「農業」になっていない、と言い換えてもいいかもしれません。
なぜでしょう。1つは主たる産品の違いです。「農業」の売上高のうち、八郎潟町ではお米の占める比率が9割を超えます。一方、清瀬市では野菜の比率が8割を超え、お米はほとんどつくっていません。お米は日本を代表する農産物であるうえ、お米をつくる水田は自然環境の保護には欠かせない役割があるのですが、現実的にはなかなか難しい問題を抱えています。
余談ですが、読者の皆さんは「農業」で売上高ナンバーワンの市町村をご存知でしょうか。北海道でも新潟でもなく、日本一は愛知県田原市です。愛知県といえば世界のトヨタが本社を構えていますよね。田原市にもトヨタが誇る高級車レクサスを製造する工場がありますが、じつは「農業」でも王者なのです。
田原市は菊の栽培が有名です。ここでは日照時間を長くするため、ライトで夜間も育てる栽培方法がとられています。この幻想的なイルミネーションが田原の「農業」の風景なんですね。
黄金色の稲穂も、牧場をゆったり歩く牛も、甘酸っぱいイチゴも、ミツバチがはぐくむ蜂蜜も、すべて「農業」。正解が1つではなく、多様性に富んでいるのが「農業」の面白いところだと思います。
目を閉じて想像してみてください。
もちろん、生まれ育った場所や人生経験によってイメージする風景は異なると思います。
ちなみに、筆者の場合、あえて言葉で表現するなら、青空、緑、水といった感じでしょうか。
青い空の下、緑色の葉っぱが風に揺れ、水面に太陽の光が注ぐー。
勝手な決めつけで恐縮ですが、もし読者のみなさんが筆者と似たようなイメージを持ったのなら、「農業」と縁が薄い人かもしれません(苦笑)。34歳の筆者は今でこそこの業界で働いていますが、農村で暮らした経験はなく、都会で生まれ育ちました。何がいいたいかというと、「農業」のイメージと現実には少なからずギャップがあるということです。
次の2枚の写真を見比べてください。
1枚目は秋田県八郎潟町(はちろうがたまち)の上空写真です。ほとんどが農地ですね。土地が広大な東北地方らしい光景です。2枚目は東京都清瀬市(きよせし)です。西武池袋線が走る首都圏のベットタウンです。農地がところどころにありますが、八郎潟町より住宅街が密集している様子がわかります。つぎに地上からみた写真も並べてみます。
八郎潟町の街角の風景。筆者のイメージする「農業」に近い。
清瀬市の街角の風景。住宅街のなかに農地が点在している。
さあ、ここで問題です。この2つの自治体では、どちらの方が「農業」の売上高が多いでしょうか。
正解は清瀬市です。八郎潟町が年8億円なのに対し、清瀬市は年16億円。町の広さでは八郎潟町の6割に満たない清瀬市が、農業の売上高では2倍もあるのです。この結果からは何が読みとれるでしょうか。
のどかな田園風景でなくとも「農業」は成り立つ、といえると思います。清瀬市ではそれほど広くない農地にビニールハウスを建て、トマトなどの野菜を効率よく育てている農家に出会うことができます。都会が近いので売り先に困らないのも清瀬の特徴です。
八郎潟町のような田園風景が、必ずしも「農業」の活性化につながっているわけではない、ともいえます。「農業」をしているように見えて、じつはそれほど「農業」になっていない、と言い換えてもいいかもしれません。
なぜでしょう。1つは主たる産品の違いです。「農業」の売上高のうち、八郎潟町ではお米の占める比率が9割を超えます。一方、清瀬市では野菜の比率が8割を超え、お米はほとんどつくっていません。お米は日本を代表する農産物であるうえ、お米をつくる水田は自然環境の保護には欠かせない役割があるのですが、現実的にはなかなか難しい問題を抱えています。
余談ですが、読者の皆さんは「農業」で売上高ナンバーワンの市町村をご存知でしょうか。北海道でも新潟でもなく、日本一は愛知県田原市です。愛知県といえば世界のトヨタが本社を構えていますよね。田原市にもトヨタが誇る高級車レクサスを製造する工場がありますが、じつは「農業」でも王者なのです。
田原市は菊の栽培が有名です。ここでは日照時間を長くするため、ライトで夜間も育てる栽培方法がとられています。この幻想的なイルミネーションが田原の「農業」の風景なんですね。
黄金色の稲穂も、牧場をゆったり歩く牛も、甘酸っぱいイチゴも、ミツバチがはぐくむ蜂蜜も、すべて「農業」。正解が1つではなく、多様性に富んでいるのが「農業」の面白いところだと思います。
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