暑中お見舞い申し上げます。“つちのこママ”です。
長かった梅雨が終わるやいなや夏休み突入、そして猛暑の日々ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか。
個人的には、夏といえばフルーツ狩り!待ちに待った季節の到来です。私が活動している多摩地域は果樹園が多く、東京に居ながらにして、ブルーベリー、ぶどうなどのフルーツ狩りが楽しめます。少し足を伸ばして、山梨や長野まで行けば、桃狩りもできます。先日は歩いて3分の近所の農園に、子どもと一緒に夏休み恒例のブルーベリー狩りに行きました。
田畑は学校!
いつもNPOの活動で子ども達を見ていて思うことは、「田畑」には、学校で「教科」として勉強する要素が境界なく存在しているのではないか、「田畑」での体験の一つ一つに丁寧に向き合うことは、子ども達のありとあらゆる可能性のきっかけにつながるのではないか、ということです。
今回は、このことが私の「そうあってほしい」という理想論や仮説ではないということを、先日の息子と行った「ブルーベリー狩り」の体験を例に、小学校の各教科になぞらえて、検証してみることにしました。
①算数
ブルーベリー狩りは、100gで240円の量り売りでした。そこでこんな計算を息子に作ってみました。
[問1]ブルーベリーは100gで240円です。500gではいくらでしょう?
[問2]100g中にブルーベリーの粒が何個あるか数えてみたら150個ありました。ブルーベリーは1個あたり何gでしょうか。また、1個あたりいくらでしょうか?
高学年向けにするなら、農園の面積に対してのブルーベリーの樹木数と収穫量、売上高などを数値化し、比較することもできそうです。
②理科
ブルーベリーの樹木やまわりにいる生きものの観察、何科の植物なのか、原産国や栽培方法などを調べることは、まさしく理科の分野です。また、今回、息子と一緒に、ブルーベリーに含まれるアントシアニンの色素を用いて、化学実験にも挑戦してみました(写真上)。
ブルーベリーを絞ったままの液は、中性で薄紫色ですが(写真左のコップ)、レモン汁を入れると酸性になり赤紫色に変化(写真中央のコップ)し、重曹を入れるとアルカリ性になって青緑色に変化しました(写真右のコップ)。目の前で色が変わる瞬間は、でんじろう先生気分が味わえます。
③家庭科
ブルーベリーは、生で食べるのはもちろん、摘み取ってすぐ冷凍すれば長期保存も可能です。今回お伺いした農園では、農家さん直伝のレシピを用意してくださっていました。例えば、コンフィチュールやジャムは、食べきれる分だけをその都度少量で電子レンジで作れば、ビンの煮沸消毒も不要、10分もあればできます。
ブルーベリーに含まれる栄養素や効果を調べるのも良いですよね。調理を含め、収穫体験が加わることで、食育にもつながります。また、おいしい食べ方を一番良く知っているのは、農家さんだったりするので、直接お聞きしてコミュニケーションを楽しむこともおすすめします。
④図画(美術)
農園の風景、ブルーベリーの実、摘み取りをしている家族の様子をスケッチしたり、帰宅してから写真を見ながら家でじっくり絵を描くのは図画の分野ですね。画材も、クレヨン、水彩、アクリル画、ちぎり絵、いろいろとアレンジできます。墨汁に筆で絵手紙を描いても素敵です。
今回は、撮影した写真を見ながら、家でゆっくりブルーベリーの観察日記を描いてみました(写真上)。
⑤社会
日本で、ブルーベリーの収穫高が最も高いのはどこ?日本の白地図を、都道府県別に収穫高によって色分けして分布図を作ったりすれば、立派な社会科ですね。収穫高の年度別推移、他のフルーツとの比較などもできます。調べるにはどうしたらいいのか、図書館に行ったり、農家さんにインタビューしたり、子どもが自発的に考えるのも、探究心につながります。
⑥国語
①から⑤までの学びを言語化して、見える化、伝える化することが、言わずもがなの国語です。日記にしてもよし、詩、短歌、俳句にしてもよし。俳句の場合は、きわめて限られた短い文章にまとめる力や季語が必要になってきますから、こちらも国語ならではの楽しみかたができます。
⑦音楽
たとえば、連想する歌を探して歌ったり、替え歌にしたり、作詞作曲したり。見えるもの、感じたこと、思ったことを音にして楽しむこともできます。畑仕事がはかどるようにと、地域ごとに昔から歌い継がれる「労作歌」を農家さんに聞いたり調べたりすれば、民族学や文化的な接点もできます。踊りもあるかもしれません。
⑧体育
行き帰りの道をウォーキングしたり、速歩したり、低木のブルーベリーの樹木の間をしゃがんだり、背伸びをしたりしながら収穫作業をすること。これ自体が体を動かすという意味では体を育む体験です。(もちろん、暑い中なので、無理しない程度に。水分補給と熱中症には充分注意して。)
何よりも「好き」 という気持ちが大事
いかがでしょうか。ブルーベリー狩り1つの体験で、全教科、網羅できました!春夏秋冬、季節を通じていろんな野菜や果物を切り口にして応用出来そうです。夏休みやお休みの日に、じっくり子どもと一緒に向き合える時間を持つこともできますね。
学校と違い、成績を付けたり評価したりすることはないので、子どもものびのびと好きな分野へ向えることが、「田畑の学校」の良いところかもしれません。絵も文章もヘタ・ウマイは関係なく、何よりも「好き」という気持ちが大事なのですから。
ちなみにこの夏、息子は、畑の堆肥や朽ち木で育つカブトムシを見つけて以来(写真上)、カブトムシにドハマり中。捕まえては持ち帰って、カブ太郎〜カブ四郎、カブ子、カブ美と次々名前をつけ、観察とお世話に勤しんでいます。夏休みの自由研究は、「カブトムシ新聞」作りをするんだと、やる気満々。
息子曰く「カブトムシをさ、1匹364円で売ったら、デュエマのカードが2パック買えるってことだよね。10匹捕まえて全部売れたら20パック分になるよね。すごい、カブトムシ!」うーん。若干微妙な計算ですが、自分から計算を試みたことは、お母さん的にはハナマルをあげましょう。
それでは、今日はこの辺で。
息子に学びとやる気を与えてくれた、畑のカブトムシさんに感謝して。
長かった梅雨が終わるやいなや夏休み突入、そして猛暑の日々ですが、みなさまいかがおすごしでしょうか。
個人的には、夏といえばフルーツ狩り!待ちに待った季節の到来です。私が活動している多摩地域は果樹園が多く、東京に居ながらにして、ブルーベリー、ぶどうなどのフルーツ狩りが楽しめます。少し足を伸ばして、山梨や長野まで行けば、桃狩りもできます。先日は歩いて3分の近所の農園に、子どもと一緒に夏休み恒例のブルーベリー狩りに行きました。
田畑は学校!
いつもNPOの活動で子ども達を見ていて思うことは、「田畑」には、学校で「教科」として勉強する要素が境界なく存在しているのではないか、「田畑」での体験の一つ一つに丁寧に向き合うことは、子ども達のありとあらゆる可能性のきっかけにつながるのではないか、ということです。
今回は、このことが私の「そうあってほしい」という理想論や仮説ではないということを、先日の息子と行った「ブルーベリー狩り」の体験を例に、小学校の各教科になぞらえて、検証してみることにしました。
①算数
ブルーベリー狩りは、100gで240円の量り売りでした。そこでこんな計算を息子に作ってみました。
[問1]ブルーベリーは100gで240円です。500gではいくらでしょう?
[問2]100g中にブルーベリーの粒が何個あるか数えてみたら150個ありました。ブルーベリーは1個あたり何gでしょうか。また、1個あたりいくらでしょうか?
高学年向けにするなら、農園の面積に対してのブルーベリーの樹木数と収穫量、売上高などを数値化し、比較することもできそうです。
②理科
ブルーベリーの樹木やまわりにいる生きものの観察、何科の植物なのか、原産国や栽培方法などを調べることは、まさしく理科の分野です。また、今回、息子と一緒に、ブルーベリーに含まれるアントシアニンの色素を用いて、化学実験にも挑戦してみました(写真上)。
ブルーベリーを絞ったままの液は、中性で薄紫色ですが(写真左のコップ)、レモン汁を入れると酸性になり赤紫色に変化(写真中央のコップ)し、重曹を入れるとアルカリ性になって青緑色に変化しました(写真右のコップ)。目の前で色が変わる瞬間は、でんじろう先生気分が味わえます。
③家庭科
ブルーベリーは、生で食べるのはもちろん、摘み取ってすぐ冷凍すれば長期保存も可能です。今回お伺いした農園では、農家さん直伝のレシピを用意してくださっていました。例えば、コンフィチュールやジャムは、食べきれる分だけをその都度少量で電子レンジで作れば、ビンの煮沸消毒も不要、10分もあればできます。
ブルーベリーに含まれる栄養素や効果を調べるのも良いですよね。調理を含め、収穫体験が加わることで、食育にもつながります。また、おいしい食べ方を一番良く知っているのは、農家さんだったりするので、直接お聞きしてコミュニケーションを楽しむこともおすすめします。
④図画(美術)
農園の風景、ブルーベリーの実、摘み取りをしている家族の様子をスケッチしたり、帰宅してから写真を見ながら家でじっくり絵を描くのは図画の分野ですね。画材も、クレヨン、水彩、アクリル画、ちぎり絵、いろいろとアレンジできます。墨汁に筆で絵手紙を描いても素敵です。
今回は、撮影した写真を見ながら、家でゆっくりブルーベリーの観察日記を描いてみました(写真上)。
⑤社会
日本で、ブルーベリーの収穫高が最も高いのはどこ?日本の白地図を、都道府県別に収穫高によって色分けして分布図を作ったりすれば、立派な社会科ですね。収穫高の年度別推移、他のフルーツとの比較などもできます。調べるにはどうしたらいいのか、図書館に行ったり、農家さんにインタビューしたり、子どもが自発的に考えるのも、探究心につながります。
⑥国語
①から⑤までの学びを言語化して、見える化、伝える化することが、言わずもがなの国語です。日記にしてもよし、詩、短歌、俳句にしてもよし。俳句の場合は、きわめて限られた短い文章にまとめる力や季語が必要になってきますから、こちらも国語ならではの楽しみかたができます。
⑦音楽
たとえば、連想する歌を探して歌ったり、替え歌にしたり、作詞作曲したり。見えるもの、感じたこと、思ったことを音にして楽しむこともできます。畑仕事がはかどるようにと、地域ごとに昔から歌い継がれる「労作歌」を農家さんに聞いたり調べたりすれば、民族学や文化的な接点もできます。踊りもあるかもしれません。
⑧体育
行き帰りの道をウォーキングしたり、速歩したり、低木のブルーベリーの樹木の間をしゃがんだり、背伸びをしたりしながら収穫作業をすること。これ自体が体を動かすという意味では体を育む体験です。(もちろん、暑い中なので、無理しない程度に。水分補給と熱中症には充分注意して。)
何よりも「好き」 という気持ちが大事
いかがでしょうか。ブルーベリー狩り1つの体験で、全教科、網羅できました!春夏秋冬、季節を通じていろんな野菜や果物を切り口にして応用出来そうです。夏休みやお休みの日に、じっくり子どもと一緒に向き合える時間を持つこともできますね。
学校と違い、成績を付けたり評価したりすることはないので、子どもものびのびと好きな分野へ向えることが、「田畑の学校」の良いところかもしれません。絵も文章もヘタ・ウマイは関係なく、何よりも「好き」という気持ちが大事なのですから。
ちなみにこの夏、息子は、畑の堆肥や朽ち木で育つカブトムシを見つけて以来(写真上)、カブトムシにドハマり中。捕まえては持ち帰って、カブ太郎〜カブ四郎、カブ子、カブ美と次々名前をつけ、観察とお世話に勤しんでいます。夏休みの自由研究は、「カブトムシ新聞」作りをするんだと、やる気満々。
息子曰く「カブトムシをさ、1匹364円で売ったら、デュエマのカードが2パック買えるってことだよね。10匹捕まえて全部売れたら20パック分になるよね。すごい、カブトムシ!」うーん。若干微妙な計算ですが、自分から計算を試みたことは、お母さん的にはハナマルをあげましょう。
それでは、今日はこの辺で。
息子に学びとやる気を与えてくれた、畑のカブトムシさんに感謝して。
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