60.8%の子どもに野菜の好き嫌いが
少し前の調査ですが、トマトケチャップや野菜ジュースで知られるカゴメが、3歳~中学生の子どもを持つ母親800人を対象にインターネットでアンケートを実施した『子どもの野菜の好き嫌いに関する調査報告書』によると、60.8%もの子どもに“野菜の好き嫌い”があるという結果が出たそうです。
子どもが嫌いな野菜のランキングは下記の通り。
<子どもが食べてくれない野菜>
順位 | 野菜 | % |
1 | なす | 32.5% |
2 | ピーマン | 26.0% |
2 | しいたけ | 26.0% |
4 | 水菜 | 22.9% |
5 | オクラ | 21.8% |
6 | ニラ | 20.8% |
7 | エリンギ | 19.4% |
8 | ねぎ | 18.6% |
9 | トマト | 18.5% |
10 | アスパラガス | 17.5% |
これに対し「子どもが好きな野菜」は、第1位「とうもろこし」(77.3%)、2位「じゃがいも」(71.8%)、3位「えだまめ」(70.6%)…となっています。
実は母親の好き嫌いが影響
この調査の結果から、子どもたちが嫌う野菜は独特の苦味・匂い・食感を持つものが多く、好きな野菜は甘味を感じさせるものが多いという傾向があることが予想されるのですが、別の設問から、それ以上に大きな“好き嫌いの要因”が見えてきたといいます。
母親に、自身の食べものの嗜好を尋ねる問いでは、「野菜の好き嫌いが子どもの頃からある」と答えた人は全体の33.0%で、そのうち「自分の子どもに好き嫌いがある」と答えた人は73.1%。
一方、母親に「野菜の好き嫌いがない」という家庭では、「子どもも野菜の好き嫌いがない」という割合は6割以上を占めました。
どうやら、子どもの好き嫌いに影響を及ぼすのは、“母親自身の好き嫌い”のようですね。
“味覚”は、経験によって出来上がっていくものです。食べる機会がほとんど無かった味を「嫌い」と認識してしまうのは無理のないこと。
自分が苦手な食材は、日々のお料理でついついて避けてしまいがちですが、自分の「苦手」をお子さんにバトンタッチしてしまうことのないよう、「まずはお子さんと一緒に外食でトライしてみる」「お母さん自身の好き嫌いをなくすためにレシピを研究してみる」など、工夫してみていただきたいと思います。
おなかいっぱい食べているのに栄養失調?
戦中や戦後の栄養失調は食べものが足らないことによって起こりましたが、現代の栄養失調は、おなかいっぱい食べていても身体に必要な栄養素が不足していることによって起こります。
そして現在、「朝食を食べない」「いつもおにぎり・パン・スナック菓子ばかり食べている(炭水化物や油脂に偏った食生活)」「野菜が嫌い」等の理由により、日本の子どもたちに栄養失調が増加していることが問題視されているのです。
栄養バランスが悪い子どもは心身の状態も悪く、「貧血や便秘など、慢性的な体調不良がある」「勉強や運動に意欲的に取り組めない」「疲れやすく頑張りがきかない」「キレやすい」「落ち込みやすい」等のトラブルが発生しがちだといいます。
野菜は、ビタミン・ミネラル・酵素・食物繊維などを多く含んでいます。
ビタミンやミネラルは、身体全体のバランスを整え、機能を向上させたり免疫力をアップしたりするために必要ですし、酵素はそれらの栄養素が効率よく消化吸収されて体内で有効に働くための手助けをしてくれます。そして食物繊維は、お通じを良くしてお腹をスッキリさせ、腸内細菌を良い状態に保つ“菌活”にも重要なもの。
子どもの栄養失調を予防・改善し、心身ともに健やかな成長を促す上で、野菜は最も重要な食材と言っても過言ではありません。
野菜嫌い、どう克服する?
「身体にいいから」「丈夫になるから」という理屈を繰り返し言い聞かせても、子どもはなかなか野菜を食べるようになってはくれません。
それでは、具体的に、どのようにして子どもの野菜嫌いを克服していけば良いのでしょう?
以下、いくつかのポイントを記しておきます。「これがベスト!」という方法はありませんので、お子さんの年齢や性格に合わせ、ご家庭ごとにアレンジして採り入れてみてください。
●すべての野菜を大好きにする必要はない … ゴーヤ-・セロリ・ニンニク・ニラ・パクチー・しいたけなど、クセのある香味や独特の食感を持つものが苦手という子どもは多いもの。「何がなんでも好き嫌いを無くす!」と焦ったり無理じいをしたりすると、食事することそのものを嫌いになってしまうかもしれません。成長とともに味覚も変わっていくものですから、「もう少し大きくなったら食べられるようになるかな?」と、のんびり構えることも必要です。
●火を通して食べられるならOK … 玉ねぎやネギ類は、生のままでは子どもにとっては刺激が強すぎることがあります。火を通すと柔らかく甘くなるので、お味噌汁・煮物・カレーやシチューなどの煮込み料理などで食べられるようであれば、子どものうちはOKと考えましょう。
●“小さく刻む”、“すりおろす”を「根気よく!」 … 小さく刻んだりすりおろしたり等の工夫は、多くのお母さん達が試してみたことと思います。でも、「それでもイヤ」と言われた時に、「ここまでしても食べないのだからしょうがない」と、簡単に諦めてしまってはいませんか? 子どもが幼ければ幼いほど、気分や体調などのコンディションが食生活に大きな影響を及ぼします。「今日はダメだったけど、また今度チャレンジしてみようね!」と、根気よく&機嫌よく、お子さんを励ましてあげてください。
●一口でも食べたら大げさに褒める … 一口でも苦手な野菜が食べられたら、そのことを褒めてやり、「もう少し食べなさい」と強要しないようにしましょう。褒められて気分が良くなったお子さん自身が、自分から「もっと食べられるよ」と言い出すくらいが理想です。
●子どもが好きな味で食べやすく … 野菜と相性が良く、子どもが好みやすい味は、「カレー味」「チーズ味」「マヨネーズ味」「ケチャップ味」「玉子味」等。野菜炒めにカレー粉をふる、野菜スープに粉チーズやとろけるチーズを加える、玉子とじにする等、まずは好きな味付けでトライしてみましょう。
●肉や魚と一緒に調理 … サラダやおひたしなど野菜主体のメニューより、「野菜を細長く切って肉で巻いて炒める」「カレーやシチューに入れる」「ツナ&マヨネーズをディップにして野菜スティックを食べさせる」「手巻き寿司でお刺身と野菜を一緒に巻き込む」など、お肉やお魚と一緒の方が食べやすいようです。
●火を通して食べられるならOK … 玉ねぎやネギ類は、生のままでは子どもにとっては刺激が強すぎることがあります。火を通すと柔らかく甘くなるので、お味噌汁・煮物・カレーやシチューなどの煮込み料理などで食べられるようであれば、子どものうちはOKと考えましょう。
●“小さく刻む”、“すりおろす”を「根気よく!」 … 小さく刻んだりすりおろしたり等の工夫は、多くのお母さん達が試してみたことと思います。でも、「それでもイヤ」と言われた時に、「ここまでしても食べないのだからしょうがない」と、簡単に諦めてしまってはいませんか? 子どもが幼ければ幼いほど、気分や体調などのコンディションが食生活に大きな影響を及ぼします。「今日はダメだったけど、また今度チャレンジしてみようね!」と、根気よく&機嫌よく、お子さんを励ましてあげてください。
●一口でも食べたら大げさに褒める … 一口でも苦手な野菜が食べられたら、そのことを褒めてやり、「もう少し食べなさい」と強要しないようにしましょう。褒められて気分が良くなったお子さん自身が、自分から「もっと食べられるよ」と言い出すくらいが理想です。
●子どもが好きな味で食べやすく … 野菜と相性が良く、子どもが好みやすい味は、「カレー味」「チーズ味」「マヨネーズ味」「ケチャップ味」「玉子味」等。野菜炒めにカレー粉をふる、野菜スープに粉チーズやとろけるチーズを加える、玉子とじにする等、まずは好きな味付けでトライしてみましょう。
●肉や魚と一緒に調理 … サラダやおひたしなど野菜主体のメニューより、「野菜を細長く切って肉で巻いて炒める」「カレーやシチューに入れる」「ツナ&マヨネーズをディップにして野菜スティックを食べさせる」「手巻き寿司でお刺身と野菜を一緒に巻き込む」など、お肉やお魚と一緒の方が食べやすいようです。
いかがでしたか?
好き嫌いは簡単には変えられないもの。短期間に焦って改善しようとすると、お母さんもお子さんもイライラ・ウンザリしてしまいます。「今日はダメそうだ」と思ったら無理をせず、次の機会を作るなど、時間をかけてチャレンジしていくことが大切です。
また、以前、「エディブル・スクールヤード」をご紹介したコラムでも触れましたが、子どもは、自分が育てたものや料理したものは、少々苦手な野菜であっても食べる気になることが多いようです。
家庭菜園やキッチンで、親子一緒に“お仕事”をすることは、好き嫌い克服のための非常に有効な方法だと言えるでしょう。
包丁や火を使うのはまだ早いという場合でも、野菜を水洗いしたり、ドレッシングを作ったりといったお手伝いなら出来そうですね。
もし、一緒にお野菜を育ててみたいな、と思ったら、週末のおでかけついでに畑に遊びにいらしてくださいね。
>これまでの記事
・【食育コラム】“食育”ってなんだろう?~食材の旬も栄養バランスも大事だけれど、はじめの一歩は「一緒に食べること」から
・【食育コラム】畑仕事で子供たちが変わる!?-野菜を育てることで育まれるもの、エディブル・スクールヤードの事例から-
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