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キャベツを育てたら絶対にやってみたい2つのこと|ヤスノリさんのシェア畑 vol. 4

キャベツを育てたら絶対にやってみたい2つのこと|ヤスノリさんのシェア畑 vol. 4
お散歩をこよなく愛するライターで、シェア畑ユーザーでもあるヤスノリさんに、シェア畑での野菜づくりの様子をおすそ分けしていただく「ヤスノリさんのシェア畑」。
4回目となる今回は、野菜の中でも定番中の定番、キャベツが主役。よく知っている野菜とはいえ、意外な発見もあったようです。


先日「ブロッコリーが指定野菜に追加される」というニュースが話題になっていて、なるほど……指定野菜ってなに? と思って検索すると農水省の子供向けページが一番目にヒットした。
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指定野菜は、野菜のうち特に消費量の多いものを国が定めています。
指定野菜の価格(かかく)が安くなった場合に、来年も野菜を作ってくれるように指定産地の農家に安くなった分だけ支払う制度(せいど)があります。
指定野菜は、キャベツ、きゅうり、さといも、だいこん、たまねぎ、トマト、なす、にんじん、ねぎ、はくさい、ばれいしょ、ピーマン、ほうれんそう、レタスの14品目です。
===
出典: https://www.maff.go.jp/j/heya/kodomo_sodan/0410/02.html (2024年2月1日時点)

よく分かった。子供向けのページがヒットするということは、子供のうちに摂取しなければいけない情報だったのでしょう。こういうことはよくある。最近も「お札はどこでつくられているのですか?」という日本銀行のページを参照した。子供向けのページ、助かる。

とにかく、消費量が多く重要な野菜のことを指定野菜と呼んでおり、そこにはキャベツ、きゅうり、さといもなど錚々たるメンバーが並んでいる。ここでキャベツが一番目に居ることに注目したい。キャベツは葉物では生産量一位らしい。日本で野菜と言えば、キャベツなのである。トンカツ定食の半分はキャベツの千切りで出来ているし、串揚げ屋でいの一番に運ばれてくるのはキャベツのザク切りだし、お好み焼きのタネとかほぼキャベツ。自分が今まで食べたキャベツの量を視覚化されたら引くと思うけれど、その日の夜もきっとキャベツを食べる。

数ヶ月前に農をはじめて、一番やってみたかったのは実はキャベツだった。スイカやイチゴとかも楽しみだったけれど、やっぱりねえ、キャベツですよ。ふつうの野菜をふつうに作るって、かっこいい。「えー、野菜作りしてるんですね、何作ってるんですか?」って聞かれたら「ええ、はい、キャベツとかちょっとね」って言いたい。かっこいいから。まだ誰からも聞かれたことがないのではやく聞いてください。

基本の野菜、キャベツ。ただ、どの世界でも基本ほど難しいことはない。寿司屋の世界では「飯炊き3年」といって、ご飯をうまく炊く修行に3年かかるとされている。キャベツをうまく作るのは、きっと難しい。農をはじめて数ヶ月。僕はここで初めて挫折を経験し、農の奥深さを知るのだろう。



あっさり出来た。シェア畑で配布された教科書通りにやったら教科書通りに育った。収穫タイミングも菜園アドバイザーさんの「そろそろいいと思いますよ」に従ったので何の迷いもなかった。そういうわけで(主にまわりのパワーで)素晴らしいキャベツを収穫した。

辛かったエピソードを強いて挙げるとすれば、若いうちは青虫に葉っぱを食われたら死、と聞いていたのでネットをかぶせ、ネットの端も全部土で埋める完全防護体制をとったのだけど、ある日見にいったら、ネットの中で蝶が飛んでいた。こいつ……どこから入った!? ネットをぐわんぐわん揺らして蝶を追い出し、葉っぱの裏に卵を産み付けられてないか確認して回った。そんなことがあって友達に「あの密室にどうやって入ったんだろう?」と言ったら「怪人二十面蝶じゃん」と言われて「は?」と思った。そのくらいです。


▲こうやって防虫ネットでガードしていたわけだけど、自然は何が起こるかわからなくて面白い

それはどうでもよくて、そう、キャベツを収穫できたらやってみたいことが2つあった。

1つ目は、キャベツの外葉で作るロールキャベツ。外葉とは、一般的にはスーパーで捨てる一番外側の葉のことを言うらしいのだけど、本当はもっと外にも葉がある。結球すらしていない部分に濃い緑色の葉があって、これが食べられるらしい。


▲これとかこれのことです

菜園アドバイザーさん曰く、葉っぱが大きいのでロールキャベツにすると肉を完全に巻くことができるし、味が濃厚でおいしいと。そんなの絶対やりたい。キャベツを育てし者にしか味わえない料理。漁師飯みたいなやつだ。畑のことを海で例える意味。


▲巻いた

果たして、柿の葉寿司みたいなのが出来た。外葉なので色が濃い。こんな色のロールキャベツ見たことない。葉がべらぼうに大きいので確かに巻きやすかったけれど、料理をしているというよりは包装している気分になった。ちょうど最近、瀬戸物屋で湯飲みを買ったあと新聞紙に包むときに全く同じ動作をした。
肝心の味のほうは、確かに葉の味が強い気がするけれど、個人的には普通のロールキャベツよりも好きかもしれない。もっとも、もの珍しさによる贔屓目もあると思うけれど、外葉は内側よりもビタミンCが豊富らしいので体に良いという利点もある。収穫のときだけ食べられる特別な料理としてまた来年もやりたい。


さて、もうひとつやりたかったこと、それはミニキャベツの収穫。これも菜園アドバイザーさんに聞いたのだけど、収穫した後のキャベツの切り口からミニキャベツ(正確にはわき芽)が出来ることがあるという。そのままスープに入れるとおいしいらしい。キャベツのミニチュア。かわいい。しかも食べられる。万能。絶対にやりたい。そして、ミニキャベツのようなわき芽を待つこと数週間。


▲切り口から何か生えてきた。これのこと?

これのこと? と思っているうちにこのミニキャベツのようなわき芽はぐいぐい大きくなってミニと呼べないほどワサワサしてきた。よくわからないまま収穫する。


▲ミニ? キャベツ?


▲ちょっと剥いてみた。なにこれ

あとから調べて知ったのだけど、これを土に植え替えるとまたキャベツになって、ずっと収穫できることがあるらしい。それって無限キャベツじゃん。ちょっと前に、ジャンクな味付けでキャベツを大量消費できる「無限キャベツ」という料理がSNSで流行っていたけれど、こっちのほうがよっぽど無限キャベツじゃん。やりたい。しかし、当時はそんなこと知らなかったので全部スープに入れてしまった。無知のスープじゃん。無限キャベツで作った無知のスープじゃん。


▲無知のスープことキャベツのわき芽のスープ

これがすごく旨かった。「可能性」の味だからかもしれない。芯の部分なので基本的に固い。でも一辺倒に固いのではなくて、歯を立てればすんなり通って、噛めばプリプリしている。イカめしのイカの食感にちょっと似ている。畑のことを海で例える意味。

ちなみに肝心のメイン部分は、千切りキャベツとかにして知らないうちに消費した。あまり有り難みを感じずに普段使いしてしまった。それもいいかもしれない。農が生活に馴染んできた感じがする。
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